米国で進む安全性情報の電子化
公開日時 2009/08/26 04:00
米国では、紙面での市販後安全性報告が、08年初頭の4割から年末には約2割まで減少していることが分かった。現在のところ、紙面と電子データでの報告が認められているが電子データへの移行が急速に進んでいる現状が浮き彫りとなった。
米FDAは8月21日、安全性情報を電子データに一本化する案をまとめている。企業の対応はFDAの動きを先取りしたものといえる。
FDAは、電子化のメリットについて、重篤または予期せぬ有害事象についての情報をFDAが得るまでの日数が短縮化すると説明。紙面では2週間かかったものが、2日間にまで短縮するとしている。ICH基準に基づき、すでに電子化が進んでいる日本や欧州との情報共有も進むことが期待できるという。
この電子化には初期費用として4500万ドル~5600万ドルのコストがかかるとされる。一方で、データベース化などの費用を考慮すると、年間で2400万ドルのコストを削減できるとみられている。
なお、市販後安全性情報に関する規制について、今後は11月19日まで案に対するパブリックコメントを求める。1年後には施行される予定だ。
(The Pink Sheet 8月24日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから