サリドマイド復活
公開日時 2008/09/30 00:00
人生をかけた関係者の闘い生まれつき腕がない体で、自らが産んだ赤ちゃんを抱くというささやかな願いさえも叶わない。「生きていくことが幸せかとずっと考えていた」というサリドマイド薬害の被害者がいる。「多発性骨髄腫は完治しない病気であるとはいえ、薬の効果で2年くらいは延びる。たった数年と思われるかもしれないけど、よい時間を過ごせたと思っている」。個人輸入し服用したサリドマイドに感謝する多発性骨髄腫患者の遺族がいる。サリドマイドは、薬剤の胎児曝露により奇形を生むという悪魔と、命をつなぐ治療薬という天使の顔を持つ。二人の証言に象徴的に現れる。申請から2年という時間の重み1960年前後、サリドマイドは胎児の手足を欠損させるといった被害を世界的に生み、一旦は姿を消した。それが今、日本で多発性骨髄腫治療薬とし...