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新薬14成分薬価収載へ SGLT2阻害薬スーグラに10%の有用性加算 ピーク時予測販売額528億円

公開日時 2014/04/10 03:52

厚労省の中医協・総会は4月9日、新薬14成分27品目を薬価基準に収載することを決めた。17日に収載予定。アステラス製薬が承認取得した糖尿病治療薬スーグラ錠が収載されることになり、SGLT2阻害薬としては国内初登場。同剤は、「臨床上有用な新規の作用機序を有する」として有用性加算2が認められ、10%の加算を上乗せし薬価算定された。ほか、抗体医薬と低分子薬を組み合わせた抗体薬物接合体という新しいタイプの抗がん剤も登場する。一つは武田薬品が承認取得した再発・難治性のCD30陽性ホジキンリンパ腫などに用いるアドセトリス点滴静注用。もう一つは中外製薬が承認取得したHER2陽性の手術不能または再発乳がんの治療薬カドサイラ点滴静注用で、両剤とも他に類薬がないため原価計算により薬価算定された。
 

薬価収載される新薬は次の通り(カッコ内は成分名と申請会社名)
▽スーグラ錠25mg、同錠50mg(イプラグリフロジン L-プロリン、アステラス製薬)
効能・効果:「2型糖尿病」
薬価:25㎎1錠 136.50円 
   50㎎1錠 205.50円(1日薬価:205.50円)
市場予測(ピーク10年後):投与患者数80万人、販売金額528億円
有用性加算2(10%):加算理由「尿中への糖質排泄を促進することにより作用する既収載品はなく、本剤の作用機序は既存の製剤とは大きく異なるものであり、インスリン非依存的に作用することから、現在、薬物療法において課題とされている低血糖のリスクや膵β細胞を疲弊させるリスクが少ないと考えられている。また、SU 剤やチアゾリジン系薬剤では体重の増加が課題とされているのに対し、本剤はプラセボ投与群に対し、有意な体重の減少を示した。低血糖に関する有害事象の割合は、プラセボ投与群と大きな違いはないこと、一般的に膵β細胞の疲弊を避けることが望ましいと考えられていること、これまで体重増加のリスクが低い経口血糖降下剤は少なく、学会のガイドラインにおいても糖尿病患者における体重コントロールの重要性が述べられていることを踏まえると、本剤は、臨床上有用な新規の作用機序を有する」
 
薬価は類似薬効比較方式で算定され、比較薬はDPP-4阻害薬テネリア錠20mg(1錠186.80円)。
 
▽アドセトリス点滴静注用50mg(ブレンツキシマブ ベトチン遺伝子組換え、武田薬品)
効能・効果:「再発又は難治性のCD30陽性ホジキンリンパ腫、未分化大細胞リンパ腫」
薬価:50㎎1瓶 465,701円
(原価計算方式で算定)
市場予測(ピーク10年後):投与患者数300人、販売金額22.4億円
加算なし
 
同剤は抗ヒトCD30モノクローナル抗体と微小管阻害作用を持つ低分子薬剤(モノメチルアウリスタチンE)とを結合させた抗体薬物複合体。CD30抗原を発現した腫瘍細胞に取り込まれた後、低分子薬が放出され、腫瘍を壊死させる作用を持つ。
 
▽カドサイラ点滴静注用100mg、同点滴静注用160mg(トラスツズマブ エムタンシン遺伝子組換え、中外製薬)
効能・効果:「HER2陽性の手術不能または再発乳がん」
薬価:100㎎1瓶 235,108円
   160㎎1瓶 373,945円
(原価計算方式で算定)
市場予測(ピーク10年後):投与患者数2.6千人、販売金額170億円
加算なし
 
トラスツズマブ(製品名:ハーセプチン)と低分子薬エムタンシンが結合した抗体薬物接合体。トラスツズマブによるHER2シグナル伝達阻害や抗体依存性細胞障害作用とともに、エムタンシンを直接HER2 陽性のがん細胞の内部に送達し、がん細胞を破壊する作用を持つ。
 
▽トピナ細粒10%(トピラマート、協和発酵キリン)
効能・効果:「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する抗てんかん薬との併用療法」
薬価:10%1g 191.90円
市場予測(ピーク10年後):投与患者数5.9千人、販売金額2.8億円
小児加算(5%):加算理由「小児を対象に国内で第Ⅲ相臨床試験が実施されており、小児に係る用法及び用量が明示的に含まれていること、比較薬は小児加算を受けていない」
 
▽コンサータ錠36mg(メチルフェニデート塩酸塩、ヤンセンファーマ)
効能・効果:「注意欠陥/多動性障害(AD/HD)」
薬価:36㎎1錠 402.60円
市場予測(ピーク10年後):投与患者数7.5千人、販売金額9.4億円
加算なし
 
▽アデムパス錠0.5mg、同1.0mg、同2.5mg(リオシグアト、バイエル薬品)
効能・効果:「外科的治癒不適応または外科的治療後に残存・再発した慢性血栓塞栓肺高血圧症」
薬価:0.5㎎1錠 673.40円 
   1.0㎎1錠 1,346.80円 
   2.5㎎1錠 3,366.90円
市場予測(ピーク10年後):投与患者数2.3千人、販売金額61.5億円
加算なし
 
▽リオナ錠250mg(クエン酸第二鉄水和物、日本たばこ産業)
効能・効果:「慢性腎臓病患者における高リン血症の改善」
薬価:250㎎1錠 99.80円
市場予測(ピーク7年後):投与患者数1.4万人、販売金額42.6億円
加算なし
 
▽ザルティア錠2.5mg、同錠5mg(タダラフィル、日本イーライリリー)
効能・効果:「前立腺肥大症に伴う排尿障害」
薬価:2.5㎎1錠 118.30円 
    5㎎1錠 230.60円
市場予測(ピーク10年後):投与患者数97万人、販売金額427億円
加算なし
 
▽ジオトリフ錠20mg、同錠30mg、同錠40mg、同錠50mg(アファチニブマレイン酸塩、日本ベーリンガーインゲルハイム)
効能・効果:「EGFR遺伝子変異陽性の手術不能または再発非小細胞肺がん」
薬価:20㎎1錠 5,840.70円 
   30㎎1錠 8,547.40円 
   40㎎1錠 11,198.50円 
   50㎎1錠 12,760.00円
市場予測(ピーク10年後):投与患者数6.9千人、販売金額232億円
加算なし
 
▽アレグラドライシロップ5%(フェキソフェナジン塩酸塩、サノフィ)
効能・効果:「アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、アトピー性皮膚炎)に伴うそう痒」
薬価:5%1g 130.90円
市場予測(ピーク5年後):投与患者数476千人、販売金額28億円
小児加算(5%):加算理由「小児に係る用法及び用量が明示的に含まれており、比較薬は小児加算を受けていない」
 
▽ザイザルシロップ0.05%(レボセチリジン塩酸塩、グラクソ・スミスクライン):成人=アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症
小児=アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)
薬価:0.05%1mL 19.60円
市場予測(ピーク7年後):投与患者数52万人、販売金額9.6億円
加算なし
 
▽サビーン点滴静注用500mg(デクスラゾキサン、キッセイ薬品)
効能・効果:「アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤の血管外漏出」
薬価:500㎎1瓶 45,593円
(原価計算方式で算定)
市場予測(ピーク3年後):投与患者数350人、販売金額1.44億円
加算なし
 
▽ノボエイト静注用250、同静注用500、同静注用1000、同静注用1500、同静注用2000、同静注用3000(ツロクトコグ アルファ遺伝子組換え、ノボノルディスクファーマ)
効能・効果:「血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向の抑制」
薬価:250国際単位1瓶(溶解液付) 23,197円 
   500国際単位1瓶(溶解液付) 43,018円 
  1,000国際単位1瓶(溶解液付) 79,776円 
  1,500国際単位1瓶(溶解液付) 114,491円 
  2,000国際単位1瓶(溶解液付) 147,942円 
  3,000国際単位1瓶(溶解液付) 212,319円
市場予測(ピーク2年後):投与患者数90人、販売金額514百万円
小児加算(5%):加算理由「小児に係る用法及び用量が明示的に含まれている」
 
▽テビケイ錠50mg(ドルテグラビルナトリウム、ヴィーブヘルスケア)
効能・効果:「HIV感染症」
薬価:50㎎1錠 3,262.60円
市場予測(ピーク10年後):投与患者数3千人、販売金額34.4億円
有用性加算(5%):加算理由「インテグラーゼ阻害剤以外の抗HIV薬による治療経験のあるHIV-1感染患者において、背景治療と併用した本剤投与の有効性が示されており、また、インテグラーゼ阻害剤を含む抗HIV薬による治療失敗経験のあるHIV-1感染患者においても、本剤投与の一定の有効性が期待できると評価されている」
 
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