小児移植に立ちはだかるデバイスラグ
公開日時 2010/10/28 00:00
改正臓器移植法で期待が高まるも難しい医療体制家族の承諾のみで臓器提供を可能とする改正臓器移植法が7月に施行されて3カ月半。この間に行われた脳死下移植は15例(10月13日現在)で、このペースだと年間の脳死下移植が30~50件に達するとの見方もある。一方で注目されているのが小児の心臓移植。提供可能年齢の制限が撤廃されたことで、ようやくその可能性が開かれた。しかし、その可能性の前に大きく立ちはだかる問題として人工心臓のデバイスラグがある。人工心臓は移植待機中の長期生存を維持する上で不可欠だが、成人用でも使用可能な機種は国際的に大きな遅れをとっている上に、小児に至っては使用可能な人工心臓が全く“ない”のが現状だ。法体制は整備されても、医療体制としてはいまだ険しい情勢が続く。(医学ライター後藤恭子)...