小野薬品 膵がん治療薬サリラシブの日本での開発・販売権を取得
公開日時 2010/09/02 04:00
小野薬品は9月1日、米国のConcordia社(フロリダ州)が膵がん治療薬として開発中のサリラシブ(一般名)を日本で独占的に開発・販売する権利を取得したと発表した。がん細胞の増殖に関与するという変異したRasたんぱく質のシグナルを阻害する作用により、効果を発揮するとされている。経口剤。同社は11年下期から国内でフェーズ1を開始する予定。
今回の開発品の導入は、がん領域の将来的な強化をにらんだもの。同社は抗がん剤投与に伴う悪心・嘔吐を抑えるイメンド(カプセル剤)を09年10月に発売しているほか、イメンドの注射剤も年内の申請を予定している。ほか、フェーズ1には完全ヒト型抗PD-1抗体「ONO-4538」(注射剤)、がん悪液質の効能を予定する「ONO-7643」(錠剤)など、がん領域の開発品を揃えている。
なお、サリラシブは海外では、治療未経験の進行膵がん患者を対象にゲムシタビンとの併用によりフェーズ1/2を実施し、現在データ解析中という。今回の権利取得に伴う契約一時金などは開示していない。