大塚製薬 HAE治療薬候補・ドニダロルセン 契約エリア拡大で日本を含むアジア地域で独占開発・販売
公開日時 2024/06/19 04:48
大塚製薬は6月18日、米・Ionis Pharmaceuticals社の開発する遺伝性血管性浮腫(HAE)の発作抑制薬候補「ドニダロルセン」について、ライセンス契約の対象エリアに、日本を含むアジア地域を追加する契約を締結したと発表した。同社は昨年12月に欧州を対象にライセンス契約を結んでおり、対象エリアを拡大する。大塚製薬は、日本およびアジア地域において独占的に開発及び販売を行う。同社は、アイオニス社に契約一時金として、2000万米ドルを支払うほか、薬事目標達成および売上高の達成目標に応じたマイルストンを支払う。
ドニダロルセン(開発コード: ISIS 721744)は、HAE の急性発作で役割を果たすカリクレイン経路を標的とする核酸医薬(アンチセンス阻害剤)。カリクレイン経路の最上流に位置するプレカリクレインのメッセンジャーRNAを破壊しプレカリクレインタンパクの産生を抑制。その結果、浮腫を促進する主要な物質であるブラジキニンの生成を抑制し、発作を予防すると考えられている。
現在、欧米で実施したフェーズ3の結果に基づき、アイオニス社が米国食品医薬品局 (FDA)への承認申請を、大塚製薬が欧州医薬品庁(EMA)へ承認申請を準備中。ドニダロルセンは米国および欧州において希少疾病用医薬品に指定されている。
HAEは、顔や腹部、手足などだけでなく、消化管や喉頭など全身のさまざまな部分が繰り返し腫れることを特徴とする常染色体優性の遺伝性疾患。日本の患者数は約500人と報告されている。