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英NICE 治療抵抗性抗うつ薬・エスケタミンのNHS下での使用は非推奨

公開日時 2020/02/17 04:50
国立医療技術評価機構(NICE)は1月28日、ヤンセンの治療抵抗性うつ病治療薬Spravato(エスケタミン)点鼻用スプレー剤について、SSRIまたはSNRI併用下における使用を、NHS(英国民保健サービス)において推奨しないとするガイダンス案を発表した。なお、エスケタミンは麻酔薬ケタミンの誘導体で、医療機関内で専門医による投与が必須となっている。

NICEのMeindert Boysen医療技術評価センター長は、治療抵抗性うつに対する新たな治療法が必要であることを認めたうえで、「臨床現場におけるコストは、非常に不明確だ」、「エスケタミンと他の治療法を比較したエビデンスが欠如している」と指摘した。同剤は臨床試験でプラセボに対する優越性を示しているが、経口抗うつ薬と抗精神病薬との併用や、リチウム補助療法などと直接比較した臨床試験は実施されていない。委員会ではこのため、「費用対効果の観点から、NHSが通常支払う価値には非常にふさわしくないと結論付けた」としている。

同剤をめぐっては、米FDA(食品医薬品局)が2019年3月、承認している。治療抵抗性うつ病は、中等度から重度のうつエピソードにおいて少なくとも2剤の抗うつ剤が無効の場合と定義されている。
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