厚生労働省医薬・生活衛生局は１月21日、重大な副作用などが判明した医療用医薬品の添付文書を改訂するよう、日本製薬団体連合会に医薬安全対策課長通知で指示した。第一三共の降圧薬・オルメテック（同オルメサルタン）及びその配合錠レザルタス（同オルメサルタン・アゼルニジピン）について、添付文書上の「重大な副作用」に、「間質性肺炎」を追記する。このほか、コセンティクス皮下注（セクキヌマブ（遺伝子組換え）、ノバルティス）は、「重大な副作用」の項に「紅皮症（剥脱性皮膚炎）」を追記する。

添付文書の改訂指示があった医薬品は次のとおり。

▽ドパストミンカプセル、同散、同静注／ドパゾール錠（一般名：レボドパ、大原薬品／アルフレッサファーマ）
▽ネオドパストン配合錠／メネシット配合錠／デュオドーパ配合経腸用液（レボドパ・カルビドパ水和物、第一三共／MSD／アッヴィ）
▽スタレボ配合錠（レボドパ・カルビドパ水和物・エンタカポン、ノバルティス）
▽ネオドパゾール配合錠／イーシー・ドパール配合錠／マドパー配合錠（レボドパ・ベンセラジド塩酸塩、アルフレッサファーマ／協和キリン／太陽ファルマ）
薬効分類：116　抗パーキンソン剤

指示概要：「重大な基本的注意」の項に、ドパミン調節障害症候群に関する記載を追記する。具体的には、「レボドパを投与された患者において、衝動制御障害に加えてレボドパを必要量を超えて求めるドパミン調節障害症候群が報告されている。患者及び家族等にこれらの症状について説明」することを記載する。

過去３年の国内報告数のうち、医薬品と事象（ドーパミン調節障害症候群）との因果関係が否定できない症例：レボドパ・カルビドパ水和物で２例（死亡との因果関係が否定できない症例０例）。

改訂理由：国内症例が集積し、欧州添付文書の記載状況も考慮し、専門委員の意見も踏まえた調査の結果、改訂することが適切と判断した。

▽オルメテックOD錠など（オルメサルタンメドキソミル、第一三共）
▽レザルタス配合錠（オルメサルタンメドキソミル・アゼルニジピン、第一三共）
薬効分類：214　血圧降下剤

指示概要：「重大な副作用」の項に、「間質性肺炎」を追記する。

過去３年間の国内報告数のうち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例：オルメテックで２例（死亡との因果関係が否定できない症例０例）。

改訂理由：国内症例が集積したことから、専門委員の意見も踏まえた調査の結果、改訂することが適切と判断した。

▽スーグラ錠（イプラグリフロジンL-プロリン、アステラス製薬）
▽スージャヌ配合錠（シタグリプチンリン酸塩水和物・イプラグリフロジンL-プロリン、MSD）
薬効分類396　糖尿病用剤

指示概要：
スーグラの「重大な副作用」の項に、「ショック、アナフィラキシー」を追記する。
スージャヌの「重大な副作用」の項の「アナフィラキシー反応」を、「ショック、アナフィラキシー」に変更する。

過去３年間の国内報告数のうち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例：スーグラで２例（死亡との因果関係が否定できない症例０例）。

改訂理由：イプラグリフロジンL-プロリンの国内症例が集積したことから、専門委員の意見も踏まえた調査の結果、改訂することが適切と判断した。

▽コセンティクス皮下注（セクキヌマブ（遺伝子組換え）、ノバルティス）
薬効分類399　他に分類されない代謝性医薬品

指示概要：「重大な副作用」の項に「紅皮症（剥脱性皮膚炎）」を追記する。

過去３年間の国内報告数のうち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例：１例（死亡との因果関係が否定できない症例０例）。

改訂理由：国内及び海外症例が集積したことから、専門委員の意見も踏まえた調査の結果、改訂することが適切と判断した。

▽マブキャンパス点滴静注（アレムツズマブ（遺伝子組換え）、サノフィ）
薬効分類429　その他の腫瘍用薬

指示概要：「重大な副作用」の項に「頭頚部動脈乖離」を追記する。

過去３年間の国内報告数のうち、医薬品と事象（頭頚部動脈乖離、虚血性脳卒中関連症例）との因果関係が否定できない症例：０例（死亡との因果関係が否定できない症例０例）。

改訂理由：海外症例の集積が認められることから、専門委員の意見も踏まえた調査の結果、改訂することが適切と判断した。