米FDA アレルギー性鼻炎治療薬Odactraを承認 減感作療法で
公開日時 2017/03/08 03:50
米食品医薬品局(FDA)は3月1日、18~65歳の成人におけるイエダニ由来のアレルギー性鼻炎治療薬Odactra(イエダニ抗原抽出物)舌下錠を承認した。適応は、18~65歳の成人における結膜炎の有無によらず、イエダニ由来のアレルギー性鼻炎。減感作療法で、1日1回服用し、抗原を患者に暴露させることによって、鼻炎や結膜炎の炎症の発現を徐々に減少させる目的で抗原に対して免疫系を馴化させる。
初回投与はアレルギー診断・治療に経験のある医師の下での投与が義務付けられている。患者は少なくとも30分間副作用発現の有無を観察される。初回投与で患者に忍容性があれば、自宅での服用が認められる。初回投与開始後、自覚できる有用性を感じられるのは、8~14週である。
安全性および有効性は、米国、カナダ、欧州において約2500例を対象にプラセボ対照二重盲検法で検証された。Odactra投与群では、プラセボ投与群に比べ、追加療法を必要とする患者の割合が16%から18%減少した。
主な副作用は、悪心、耳や口の掻痒、口唇及び舌の腫脹など。しかし、生命を脅かす重篤なアレルギー反応を起こす恐れもあるので、その点が枠組み警告に記載された。このため、他のFDA承認抗原抽出物舌下錠と同様に、Odactraを服用する患者には、エピネフリン自己注射剤が処方されることになっている。
同剤は、英Catalent Phrama Solutions社が製造、米Merck Sharp & Dohme Corp社が販売する。
FDA生物製剤センター(CBER)のPeter Marksセンター長は、「イエダニアレルギー疾患は、個人のQOL(生活の質)にネガティブな影響を与えるので、Odactraの承認は、患者の症状を緩和するのに役立つ新たな治療選択肢を提供する」と同剤の登場を歓迎した。