第一三共 HER2低発現乳がんで「DS-8201」のフェーズ3開始
公開日時 2019/01/16 03:50
第一三共は1月15日、開発中のHER2に対する抗体薬物複合体「DS-8201」について、化学療法による前治療を受けたHER2低発現の再発・転移性乳がん患者を対象にグローバルフェーズ3を開始したと発表した。乳がん患者全体の4割以上に低レベルのHER2が発現している(HER2低発現)とされるが、現在の標準治療ではHER2陰性に分類され、ホルモン受容体の状態により治療を決定している。そのため現在、HER2低発現の乳がん患者を対象に承認されている抗HER2療法はないという。
試験名は「DESTINY-Breast04」で、主要評価項目は無増悪生存期間に、化学療法群を対照に比較検証する。北米、西欧、日本を含むアジアなどにおいて最大540人以上の患者を登録する予定としている。
抗体薬物複合体は、抗体医薬と低分子医薬を結合させたもので、がん細胞に発現している標的因子に抗体医薬が結合し、それを介して低分子医薬をがん細胞へ直接送達し、がん細胞への攻撃力を高めるとされる薬剤。再発・転移性のHER2陽性乳がんに対する治験は既にフェーズ3(試験名:「DESTINY-Breast03」)が18年10月から行われている。