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英NICE HCCへのレゴラフェニブ 非推奨から推奨に変更

公開日時 2018/12/11 03:50

英国立医療技術評価機構(NICE)は11月29日、独Bayer社の進行肝細胞がん(HCC)治療薬Stivarga(レゴラフェニブ)について、当初ガイダンスにおいてNHS(国民保健サービス)における使用を非推奨としていたが、この方針を転換、推奨することに決定したと発表した。

適応は、肝臓が機能しているが切除不能ですでにソラフェニブを服用している患者。NICEは今年3月、レゴラフェニブについて、費用対効果の評価について最も妥当な費用対効果比が、NICEが一定の薬剤を推奨できる範囲よりも高いという理由で推奨しなかった。しかし、当該企業が同剤のNHSへの提供価格を割り引くことに合意、検討の結果、NHSで使用するうえでの末期治療に対する費用対効果の基準に合致することから同剤を推奨することにした。

3週間1日4錠、次いで1週間は休薬を1クールとする。1クールの薬価(リスト価格)は、3744ポンド(53万5392円;1ポンド=143円)。

英国肝臓基金(British Liver Trust: BLT)によると、英国では毎年新規に5500人が肝がんと診断されている。

NICEのMeindert Boysen医療技術評価センター(CHTE)長は、「レゴラフェニブは、すでにソラフェニブを投与されていた進行肝がん患者を延命させるのに重要な治療選択肢である」と指摘。「我々は、当該企業が当初ガイダンスの見直しを求め、イングランドとウェールズにおけるNHSの費用対効果を持つ通常使用が出来るように薬価下げに応じてくれたことをうれしく思う」と当該企業による薬価面での協力に感謝を示した。

BLTのJudi Rhys専務理事は、「HCCは、肝臓のがんではありふれたものである。5年生存率は平均12%で、HCCと診断されることは患者、患者家族にとって厳しいものだ」と述べたうえで、「有効な治療法はほとんどないので、レゴラフェニブの推奨承認は前進に向けての一歩である。同剤にアクセスすることは、患者と家族に特別に価値ある時間を提供する」と同剤を高く評価した。

 

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