刀根山病院・齊藤神経内科医長 神経筋疾患の集学的治療の重要性指摘 医療連携で体制確保を
公開日時 2018/08/29 03:50
国立病院機構刀根山病院(大阪府豊中市)の齊藤利雄神経内科医長は8月27日、バイオジェン・ジャパンによるメディア向け勉強会で講演し、難病の神経筋疾患の治療課題について、薬物治療のほかリハビリや栄養管理など多職種によって患者の治療や生活の質を支援する「集学的治療」を挙げ、その取り組みの重要性を指摘した。一部の専門医療施設以外では治療体制の確保が難しいとして、地域の医療連携によって確保することが必要だとした。
神経筋疾患には筋ジストロフィーや筋萎縮性性側索硬化症、脊髄性筋萎縮症などがあり、筋肉の機能が低下し、運動や呼吸機能に重大な影響を及ぼす。
齊藤氏は、薬物治療だけでなく、呼吸管理、心筋保護、運動器リハビリ、整形外科、口腔ケア、栄養管理、カウンセリングなど、生活の質をの支援まで視野に入れた治療の必要性を強調した。しかし、一部専門施設で行っている治療体制を「一般の基幹病院に当てはめることはできない」と述べ、地域の医療機関ごとに持つ機能を活かし「複数の医療機関が連携して(集学的)治療を行うことが大事」と指摘した。