大塚製薬 アリピプラゾールとセルトラリンの配合錠を国内申請 「うつ病・うつ状態」の予定効能で
公開日時 2017/07/31 03:51
大塚製薬は7月28日、抗精神病薬アリピプラゾール(一般名)と選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の塩酸セルトラリン(一般名)の配合剤について、日本で同日に承認申請したと発表した。予定効能は「うつ病・うつ状態」。両剤を併用している患者や、セルトラリン100mg(=1日最大用量)の服薬でも効果不十分な場合に、この配合剤を用いることができる。
アリピプラゾール3mg、6mg、9mg、12mgにそれぞれセルトラリン100mgを配合した4規格を申請した。
アリピプラゾールは大塚が創製した非定型抗精神病薬で、製品名はエビリファイ。日本うつ病学会治療ガイドラインでは、中等症・重症のうつ病の薬物治療法について、第一選択薬による治療に成功しない場合の対応のひとつとして「抗うつ効果増強療法」が提示されている。抗うつ薬に上乗せする非定型抗精神病薬として、日本ではアリピプラゾールが唯一適応を持っている。
大塚広報部によると、同配合剤の添付文書案の使用上の注意には、セルトラリン100mgでの治療でも効果不十分な場合に同配合剤を使用できる旨が記載されているという。大塚は、「配合剤である本剤は、セルトラリンで反応不十分な患者さんにとって、服薬錠数が増えることなく抗うつ効果増強療法が可能になる」としている。
配合剤の臨床試験は大うつ病性障害患者を対象に、日本を含むアジア・オセアニア地域で行われた。4規格ともセルトラリン単剤投与群に対する有効性が確認された。安全性は、セルトラリン単剤投与群との間で「有害事象の発現状況に大きな違いはみられなかった」としている。
セルトラリンはファイザーが創製したSSRIで、先発品名はジェイゾロフト。