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多発性硬化症・視神経脊髄炎 患者の8割が「病気の進行」など不安 診断まで平均3.7年

公開日時 2017/06/14 03:50

バイオジェン・ジャパンはこのほど、多発性硬化症(MS)または視神経脊髄炎(NMO)の患者の8割が、「今後症状が改善するかどうか」や「病気の進行」に不安を感じているとの意識調査結果をまとめた。MSまたはNMOによって3人に1人が退職するなど、就労に影響する疾患であることも浮き彫りになった。

調査は、MS友の会の会員を対象に実施した。有効回答数は210人で、内訳はMS患者が77.1%、NMO患者が23.8%。調査期間は3月10日~5月8日。方法は郵送調査。

調査結果をみると、「今後症状が改善するかどうか」に不安を感じているとの回答は83.4%、「病気の進行」が不安は88.6%、「経済的な状況」が不安は79.0%――だった。MS/NMOによる仕事への影響を複数回答で聞いたところ、上位から、「退職」(34.3%)、「仕事内容の変更」(21.9%)、「就職をあきらめた」(19.5%)――となった。

また、最初にMS/NMOと思われる症状が現れてから診断されるまで平均3.7年かかり、3つの医療機関を受診していることもわかった。早期発見・早期治療によって再発予防や病状の進行抑制も可能となっているが、この調査結果からは、患者、医師とも疾患に関する認識が十分ではないことが示されたといえそうだ。

MSは深刻な慢性進行性神経疾患。認知機能、心理社会的機能、身体機能の全てに影響を及ぼし、中枢神経系における炎症、ミエリン破壊、オリゴデンドロサイトの細胞死、軸索損傷およびその後の神経細胞の喪失を特徴とする自己免疫疾患。MSの国内罹患率は、10万人あたり10.8~14.4人と報告され、国内患者数は増加傾向にある。

NMOは、アストロサイトという髄鞘(ずいしょう)とは別の細胞が攻撃されて破壊される疾患。アストロサイトは中枢神経組織のなかにあって、その構造を支える支持組織としての働きや、さまざまな物質の輸送に関与して周辺の脳組織の環境を調節する働きをする。アストロサイトが障害されると栄養、保護機構の障害が起こると考えられている。

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