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未成年への向精神薬の使用激減

公開日時 2015/10/22 03:50

問題行動のある子どもに対する向精神薬の大量処方が大きな社会問題になっていたカリフォルニア州。本コラムでもレポートしたが、大きな問題となったきっかけはEHR電子化推進で利用可能になった処方箋の大型データの解析と、シリコンバレーの地方紙サンノゼ・マーキュリー・ニュースを中心とするメディアの特集であった。


公的医療保険データの解析から、親に養育能力がない子どもをあずかる里親施設等で、子どもたちが「落ち着きがない」「行動に問題がある」などの理由で 大量の向精神薬の服用を強いられていたことがあきらかになったからだ。実際、施設で暮らす子どもたちの62%が、過去10年以上にわたって、大量の向精神薬を処方されてきていた。


特集記事で紹介された解析データは、意図すれば、医師・医療機関、子どもの施設までが特定できる精緻なものであった。これを受けて、カリフォルニア州議会は未成年への不適切な向精神薬の使用を規制する法案を成立させ、州政府は本格的な対応に乗り出した。


規制導入後、向精神薬を処方される子どもの数が激減したと報じられているが、実際、向精神薬の処方箋数も大きく減少している。下の図はサンノゼ・マーキュリー・ニュース紙が最近掲載した保険償還のために提出された処方箋数の変化のグラフである。


処方箋の総数が2014年10月の月間16,915枚から、2015年1月の月間6,150枚へと60%以上減少している。それだけでなく、同時に「処方が不適切」であるとして償還されない 処方箋が2014年10月の6%から2015年1月には18%に増加している。


教室で問題行動のある子どもに対する向精神薬使用がひろがっていると報じられている日本にも参考になるデータであろう。(医療ジャーナリスト 西村由美子)


http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3213_all.html
 

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