サノフィ GE国内自社販売へ 全MRが営業
公開日時 2014/02/24 03:52
サノフィ日本法人のジェズ・モールディング社長(写真)は2月21日、東京都内で記者会見し、日本でジェネリック(GE)の自社販売を始めると発表した。2010年に始めたGE事業での日医工との提携関係を継続する一方で、日本政府がさらなるGE使用促進を打ち出し、今後10年で1兆円の市場拡大が見込めるとして自ら市場の獲得に乗り出すことにした。同社の千数百人のMRが営業し、5年で売上300億円規模を目指す。
同社は昨年12月にビジネスユニット制に移行し、その中にGEなどを扱う「キーアカウントビジネスユニット」を立ち上げた。まずはARBのバルサルタン錠(製造販売承認:日本薬品工業)、がんの骨転移などに用いるゾレドロン酸点滴静注(同:アイロム製薬)の2製品を、6月に予定される薬価収載後にサノフィブランドで自社販売を始める。
モールディング社長は会見で、自社販売に乗り出した理由について、高い成長が見込まれる日本GE市場で、同社のブランド、顧客や医薬品卸との信頼関係によって「シェア獲得ができる余地がある」と話した。会見では触れなかったが、同社の主力品で売上高1000億円に上る抗血小板薬プラビックスの特許切れが控え、新たな収益の確保も念頭にあるとみられる。
今後サノフィは、海外でのGE事業とも協力して低分子医薬品のGE、バイオシミラーを手掛ける方針。5年で31品目の低分子医薬品GEの上市を予定しているといい、提携関係にある日医工と競合関係は強まることになる。日医工との共同開発、コ・プロは視野に入れているものの「可能性としてありうる」(稲林実執行役員キーアカウントビジネスユニットヘッド)と述べるにとどまっており、日医工との提携関係は今後限定的になると見ることもできる。提携の中で見ると、日医工は、これまでのGE(日医工ブランド)のコ・プロ、サノフィからの長期収載品の移管、サノフィのオーソライズドGEの販売、バイオシミラーの共同開発となる。
両社は2010年5月、日本でのGE事業の共同出資会社を設立している。