新規HIVインテグレース阻害薬ドルテグラビル 年内に欧米で申請へ
公開日時 2012/10/05 04:01
塩野義製薬は10月4日、新規HIVインテグレース阻害薬ドルテグラビル(開発コード:S-349572)を欧米で2012年中に承認申請する予定と発表した。同剤の日本での開発は未着手で、「今後検討する」(塩野義広報部)としているが、米FDAが承認した新規抗HIV薬は日本で緊急承認・収載されるケースも多い。
塩野義はViiV Healthcare社との間で、画期的なHIV感染症治療薬を開発するため、ジョイントベンチャー(JV)のShionogi-ViiV Healthcare LLC(本社:米国デラウェア州)を立ち上げた。今回、同JVを通じて開発中のドルテグラビルに関して、承認申請に必要な4つのフェーズ3試験結果が得られたという。試験結果の詳細は今後、学会で発表する予定。
塩野義は、「このたびの承認申請に必要なデータの取得完了により、新しい治療法へのニーズが高いHIV治療領域において、良好な有効性、安全性、耐性プロファイルをもつ新たな薬剤としてドルテグラビルを提供できる可能性が高まったと理解している」とコメントした。
既存のインテグレース阻害薬では、ウイルスの耐性化や1日2回投与、またはブースター(=薬剤の血中濃度を維持し、さらに抗ウイルス作用を維持・増強するため、対象となる薬剤を代謝する酵素を阻害する薬剤)が必要という服用の煩雑さなどが指摘されている。これに対してドルテグラビルは、1日1回投与でブースターを必要としない。