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糖尿病合併の高血圧症 降圧剤ラジレスはACEまたはARBとの併用を原則禁忌

公開日時 2012/06/07 04:01

ノバルティス ファーマは6月5日、厚生労働省からの同日付の通知に基づき、高血圧症治療薬ラジレス錠150mg(一般名:アリスキレンフマル酸塩)の添付文書を改訂したと発表した。糖尿病を合併している高血圧症患者に対して、ラジレスとACE阻害剤またはARBとの併用を禁忌とした。ただ、「ただし、ACE阻害剤やARB投与を含む他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く」とも記載した。米国や欧州では、糖尿病を合併している高血圧症患者に対するラジレスとACEまたはARBとの併用は禁忌としたが、日本では、他の降圧治療をしても、どうしても血圧コントロールが著しく不良な糖尿病合併患者が存在するとして、ただし書きを盛り込んだ。

また、腎機能障害患者に対するラジレスの投与については、「重要な基本的注意」の項に、「eGFRが60mL/min/1.73㎡未満の腎機能障害のある患者へのACE阻害剤またはARBとの併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること」と追記した。さらに、腎機能障害患者における「血清カリウム値及び血清クレアチニン値が上昇するおそれ」に関する記載を、これまでの「慎重投与」から「重要な基本的注意」の項に移した。

このような中等度以上の腎機能障害患者に対するラジレスとACEまたはARBとの併用は、欧州では禁忌、米国では注意喚起となっていたが、日本は米国に近い形となった。

欧州では2月に、米国では4月に添付文書が改訂された。今回の日本を含む添付文書の改訂は、2011年12月に公表された国際共同試験ALTITUDEの中間解析結果に基づくもの。ACEやARBを含む十分な標準治療にラジレスを上乗せ投与した場合、同試験の対象となった腎障害または腎機能低下を伴う2型糖尿病を合併した高血圧症患者で、非致死性脳卒中、腎合併症、高カリウム血症、低血圧のリスクが高まる可能性が示された。

なお、ノバルティスは日本で、今回の添付文書改訂の前から一時的な予防的措置として、糖尿病を合併している高血圧症患者に対して、ラジレスとACEまたはARBを併用しないよう情報提供活動している。11年12月からMRが口頭で情報提供し、12年1月から循環器領域担当の全MRが案内文を持って情報提供を徹底した。

 

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