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国内初のDMDに対する遺伝子治療薬・エレビジスなど2製品承認へ 再生医療等製品部会が了承

公開日時 2025/04/21 04:49
厚生労働省の薬事審議会再生医療等製品・生物由来技術部会は4月18日、中外製薬のデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)に対する国内初の遺伝子治療薬・エレビジス点滴静注(一般名:デランジストロゲン モキセパルボベク)など再生医療等製品2製品の承認の可否を審議し、承認することを了承した。エレビジスの投与対象は3歳~7歳の歩行可能なDMD患者となる。条件及び期限付承認に該当し、期限は3年と設定された。

もう1製品は、ジャパン・ティッシュエンジニアリングの自家培養軟骨・ジャックで、「変形性膝関節症(膝OA)」の適応拡大となる。ジャックの膝OAの投与対象は、運動療法等の保存療法により臨床症状が改善せず、かつ軟骨欠損面積が2cm2以上の軟骨欠損部位に適用する場合に限ることとなる。膝OAは、軟骨がすり減っている病態が大部分を占めるが、厚労省担当者は「すり減っているような方ではなく、欠損している方に使用を想定している」と説明した。

【審議品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)

エレビジス点滴静注(デランジストロゲン モキセパルボベク、中外製薬):「デュシェンヌ型筋ジストロフィー。ただし、以下のいずれも満たす場合に限る。▽抗AAVrh74抗体が陰性の患者▽歩行可能な患者▽3歳以上8歳未満の患者」を効能・効果又は性能とする再生医療等製品。希少疾病用再生医療等製品。条件及び期限付承認(期限は3年)。

アデノ随伴ウイルス(AAV)ベースの遺伝子治療薬。デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は、筋肉にかかわるタンパク質であるジストロフィンの産生に影響を及ぼすDMD遺伝子の突然変異が原因で発症する。エレビジスは、標的とする骨格筋、呼吸筋及び心筋において、短縮型ジストロフィンの発現を介し、DMDの原因に働きかけるようデザインされている。静脈内に単回投与する。再投与はしない。

承認申請は、国際共同第3相EMBARK試験等の結果に基づき行われた。同試験では、主要評価項目(ノース・スター歩行能力評価(NSAA))は未達だったが、重要な副次評価項目(床から立ち上がるまでの時間、10メートルの歩行時間など)で臨床的に意義のある改善が認められた。

今回、条件及び期限付承認に該当すると判断された(期限3年)。条件及び期限付承認後に改めて行う製造販売承認申請までの期間中は、長期の有効性及び安全性の確認を目的とした臨床試験並びに使用する全症例を対象とした製造販売後調査により製造販売後承認条件評価を行う。

海外でエレビジスは、米国などで承認されている。なお、米国では、第3相EMBARK試験等の結果に基づき、歩行状態に関係なく4歳以上の患者に投与可能(歩行可能はフル承認、歩行不能は迅速承認)となっている。

ジャック(ヒト(自己)軟骨由来組織、ジャパン・ティッシュエンジニアリング):「変形性膝関節症に対する臨床症状の改善。ただし、運動療法等の保存療法により臨床症状が改善せず、かつ軟骨欠損面積が2cm2以上の軟骨欠損部位に適用する場合に限る」を効能・効果又は性能とする再生医療等製品。効能追加。再審査期間は4年。

自家培養軟骨。国内で実施された膝OA患者に対するヒアルロン酸ナトリウム製剤による関節内注射治療との比較臨床試験により、培養軟骨移植によって膝OAの軟骨欠損部が硝子軟骨様組織で修復され、膝OAの臨床症状が改善したことが確認された。

ジャックの現時点の適応は「膝関節における外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く)の臨床症状の緩和。ただし、他に治療法がなく、かつ軟骨欠損面積が4cm2以上の軟骨欠損部位に適用する場合に限る」となっている。
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