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オリオンファーマ 医療人材プラットフォーム「MRT」活用で長期収載品のデジタルプロモーションに挑戦

公開日時 2025/03/17 04:52
オリオンファーマ・ジャパンは伊藤忠商事とのパートナーシップにより、医療プラットフォームを活用したデジタルプロモーションに挑戦する。伊藤忠商事が昨年11月に資本業務提携した医療人材プラットフォーム「MRT」を活用し、オリオンファーマの社名認知度の向上からスタレボ配合錠やディビゲルなどの製品浸透、処方獲得までを3STEPで行うというもの。まずは注力領域である神経内科や産婦人科に特化したブランディングを行い、その上で、タッチポイントの拡大を図る。特に同社の取り扱い製品が長期収載品で、MRTの利用率が30代~40代の若手医師で高いことに着目し、同社のキーアカウントマネジャー(KAM)7人がアプローチしやすい環境を整え、医師の処方変容の促進などに関する活動を少数精鋭で効果的に実現したい考えだ。

オリオン社は1917年にフィンランドで創立した製薬企業。日本法人は24年1月に設立した。第1弾として同社オリジンの抗パーキンソン病薬スタレボ配合錠とコムタン錠の製造販売承認を昨秋にノバルティス ファーマから承継。同様に同社創製の経皮吸収エストラジオール製剤ディビゲルも、24年10月31日にサンファーマから承認を継承、販売移管されている。同社は自社創製品(新薬)の国内上市を今後数年で目指す事業計画を進めており、当面は他社にライセンスアウトした自社創製品の契約タイミングなどで製造販売承認の継承を受け、その間に自販体制を整える方針だ。なお、医薬情報担当者(MR)はKAMの呼称で現在は7人。

◎伊藤忠商事が資本業務提携した「MRT」活用 認知度向上、製品浸透、ROI計測まで

具体的なデジタルプロモーションは、「Step1」として、医療人材プラットフォーム「MRT」を活用して初期的な企業認知度を向上させるというもの。MRT のサイトメイン画面にオリオンファーマのバナー広告を掲載、その後ターゲット医師である神経内科、婦人科系医師を特定して、ポップアップ広告を表示する。「Step2」では、3か月後にターゲット医師に簡易アンケートを実施し、オリオンファーマの認知度などを収集する。なお、MRTは医師を中心とした医療系人材紹介や勤務先の勤怠管理などに用いられていることから、登録医師のアクセス率が高く、ポップアップ広告を目にする機会が高いという。

その上で「Step3」では、ターゲットとなる神経内科、婦人科の医師が処方変容に至ったかどうかを伊藤忠商事側でインタビューを行い、ROIを計測していく方針。その際には長期収載品全体の印象についても医師側の認識などを確認したい考えだ。伊藤忠商事 情報・金融カンパニー 情報・通信部門フロンティアビジネス部 フロンティアビジネス第二課の白石純一朗氏(写真:後列左)は、「長期収載品に対しては、ある意味逆風が吹いている。この機会に、しっかりと目標をもってバックキャストで考えていけば長期収載品もビジネス化できるというところをオリオンファーマと一緒に作っていければと考えている」と強調した。

◎若手医師のリーチ率の高さに長期収載品ビジネスとの親和性が

なお、伊藤忠商事によるとMRTの登録医師数は10万人弱。アクセスする医師を年代別にみると、30代の医師が最も多く、次いで40代、50代と若手医師のリーチ率が高い。カバー率でみると、神経内科医は全登録数の16%、婦人科領域は35%。伊藤忠商事フロンティアビジネス第二課の白石純一朗氏は、「他のプラットフォームと圧倒的に違うところはアクティブユーザー数が全然違うところ。4割ぐらいの医師が基本的には1週間に1回は使っている」と話す。

一方、オリオンファーマ シニアマネージャー オムニチャネル&コマーシャルオペレーションの川邉誠司氏(写真:前列右)は、「我々の当面の製品は長期収載品なので、若手医師に一番認知して欲しい層になる。今回のMRT活用との親和率は高いと考えている」と強調した。また、オリオンファーマのコマーシャルエクセレンス&オペレーション部門長の松本征之助氏(写真:前列左)は、「今後のオリオンの開発重点領域はオンコロジーとペインとなる。このため領域を絞らず全領域の医師の認知度を向上させることにも意味がある」とも語ってくれた。

◎オリオンファーマ・松本部門長「伊藤忠商事と組んで、ちょっと尖った施策として展開したい」

オリオンファーマの松本征之助部門長は伊藤忠商事との取り組みについて、「昨年の日本法人立ち上げから1年になる。これまでメガファーマを含めてやってこなかった施策を伊藤忠商事と組んで、ちょっと尖った施策として展開したい。少ない人数でもできることを実証したい」と意気込んだ。その上で、デジタルプロモーション施策の成果目標については、「前年比を上回る目標を目指したい」と述べた。KAMの増員については、「闇雲に増員することはない」としながらも、次世代CMR(デジタルMR)の増員は検討していると明かしてくれた。

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