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TXP MedicalとNTT Com 25年度早期に製薬向けサービスを提供 患者同意を前提とした臨床研究に応用も

公開日時 2024/12/18 04:51
TXP MedicalとNTTコミュニケーションズは12月17日、東京都内で資本業務提携に関するメディア向け説明会を開催し、2025年早期に製薬企業向け医療データ分析サービスの提供を開始する方針を示した。TXP Medicalは豊富な医療データや医師の知見に基づく分析力に強みを持ち、NTT Comは秘密計算技術を用いたクラウドサービス「析秘」を手掛ける。TXP Medicalの園生智弘代表取締役(医師)は「双方の強みを組み合わせて、 これまでになかった医療データサービスを構築して展開していきたい」と抱負を述べた。

◎医療データと秘密計算技術を融合 TXP側の医学的知見やNTT側の営業基盤も特長

TXP Medicalは、主に急性期病院の電子カルテや900以上の検査値、DPCデータを有し、病院からの委託を受けて研究用データウェアハウス(DWH)の構築を手掛ける。さらに専門医やデータアナリストなどのチームによる医療データ分析能力とコンサルティングに強みを持つ。一方、NTT Comはデータを秘密化された情報を復元せずに演算処理が可能な秘密計算の技術を有し、クラウド上の安全な環境でデータを保管、統計計算する秘密計算システム「析秘」をサービス提供している。両社は24年10月、資本業務提携契約の締結を発表し、製薬企業などに提供する「医療データサービス」の共同開発にも取り組むとしていた。

両社の協業による医療データ分析サービスでは、TXP Medical側のデータをクラウド上の「析秘」にストックし、分析結果やデータベースを作成。さらに医学的知見に基づくアセスメントを加えた上でサービス利用者に提供するフローを描く。市場浸透においては、NTT Comのネームバリューや製薬業界の法人顧客・営業基盤も力になる。なお、TXP Medicalによると、現時点でDWHを構築している医療機関は約40病院に上り、協業スキームに基づくデータ利活用については今後、病院側に利用許諾を求めていくという。

◎2次利用プラットフォーム NTT Com櫻井氏「ポテンシャルは十分にある」

医療データを2次利用できるプラットフォームとしての活用について、NTT Comビジネスソリューション本部スマートワールドビジネス部スマートヘルスケア推進室の櫻井陽一担当部長は、「基本的に臨床研究や治験ではきちんとした患者説明をされて同意をとっている前提でデータ活用がある」と前置きした上で、「そのポテンシャルは十分にある」と述べた。

◎医薬基盤研・中村理事長が講演 「災害にもウイルスにも強い」クラウドDB構築に期待

記者説明会に先立って行われたセミナーでは、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所の中村祐輔理事長が「AIホスピタル」について講演した。中村理事長はクラウド上の臨床データベース構築について「災害にもウイルスにも強いデータベースで、医療の質の向上につながる」と歓迎。加えてリアルタイムでの情報収集にも期待を寄せ、実現すれば、「目の前の患者さんに最も適した治療をすぐに還元できる」と意義を強調した。
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