キリンホールディングス（HD）は11月25日、国内のキリングループの従業員約1万5000人を対象に業務特化型生成ＡＩの活用を目的とした「KIRIN BuddyAI Project」を開始すると発表した。初期段階として、マーケティング領域に従事する約400人に、「KIRIN BuddyAI for Marketing」を先行導入した。今後は、営業部門やR&D部門などに順次拡大する方針で、25年末までに国内全従業員への展開を目指す。

今回のプロジェクトは、業務担当者が容易かつ迅速に生成ＡＩを活用し、生産性やスキルを向上を目指すというもの。社内環境で構築した生成ＡＩに、各業務領域に特化したプロンプトテンプレートを実装、業務データとの連携などを進める。

先行導入となる「KIRIN BuddyAI for Marketing」は、マーケティング業務に特化した、①エグゼキューション開発（コンセプト開発など）、②調査・分析（調査サマリ作成など）、③汎用業務（商談資料構成案作成など）－の3つのカテゴリーに分類された約15種類のプロンプトテンプレートが用意されている。マーケティング業務の担当者は自身の業務に最適なテンプレートを選ぶことで、生成ＡＩを効率的に活用し、迅速かつ質の高いアウトプットを得ることが可能となる。また、カテゴライズされたテンプレートを用意することで、生成ＡＩに慣れていない従業員でも、簡単に操作できるよう工夫が施されている。

キリングループは、「全社での生成ＡＩ活用に向けて、ChatGPTの社内環境構築や各種ツールの試験導入、社内浸透を進めることで利用促進に取り組んできた。今後も、生成ＡＩの活用を推進し、業務効率化で生まれた時間をクリエイティブな価値創造に充てることで、さらなる付加価値の高いサービスや製品を顧客に提供することを目指したい」と強調した。