持田製薬・三石取締役 長期収載品の選定療養の影響「少しずつ見えてきている」 対象品にエパデールなど
公開日時 2024/11/02 04:50
持田製薬の三石基・取締役専務執行役員は11月1日の2024年度第2四半期決算説明会で、10月に施行された長期収載品の選定療養による業績影響について、「影響は少しずつ見えてきている」と述べた。減収のインパクトに関しては、「期初の想定通りの状況ではあるが、(減収の)スピード等についてもう少し時間をかけて見極めたい」と話し、長期収載品の選定療養化の対象製品となっている同社の高脂血症治療薬・エパデールや抗うつ薬・レクサプロなどの24年度通期計画は期初の数値を据え置いたと説明した。
選定療養の対象となった長期収載品では、長期収載品の薬価と後発品の最高価格帯との価格差の4分の1に相当する額を患者が追加負担するルールが10月から施行された。
◎24年度上期の医薬品事業 2.7%の増収 リアルダなどの新薬好調
24年度上期の医薬品関連事業の売上は前年同期比2.7%増の475億5500万円だった。4月の薬価改定で同社は9%台の薬価引下げを受けたが、新薬群の好調により増収を維持した。新薬の潰瘍性大腸炎治療薬・リアルダの売上は4%増の74億円、慢性便秘症治療薬・グーフィスは8%増の41億円、慢性便秘症治療薬・モビコールは11%増の32億円――などだった。一方、エパデールは25%減の29億円、レクサプロは34%減の17億円だった。
後発品事業の売上は1%増の151億円だった。このうち子宮内膜症等治療薬・ディナゲストのAGの売上は13%増の49億円だった。
24年度上期の連結業績は、医薬品事業に加えヘルスケア事業も好調で増収とする一方、利益面は薬価改定や円安による原薬・製剤の輸入価格の上昇による売上原価率の上昇などにより営業減益だった。原価率は2.1ポイント増の50.5%となった。
【連結業績(前年同期比) 24年度予想(前年同期比)】
売上高 510億9600万円(3.3%増) 1060億円(3.0%増)
営業利益 37億9300万円(4.0%減) 75億円(29.3%増)
親会社帰属純利益 28億2500万円(0.5%減) 56億円(23.1%増)
【国内主要製品売上高(前年同期実績) 24年度予想、億円】
リアルダ 74(71) 146
グーフィス 41(37) 90
エパデール 29(38) 65
モビコール 32(28) 60
ユリス 21(15) 54
レクサプロ 17(26) 37
トレプロスト 19(10) 28
トラムセット 9(12) 20
アテレック 8(12) 18
コレチメント 2(0) 14
ヘパリンNa 6(6) 12
ディナゲスト 4(5) 7
後発品 151(150) 285
うち、ディナゲストAG 49(43) 92
*アテレックはアテディオを含む