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慶應義塾大学 若年性認知症の研究推進でクラウドファンディング開始 11月18日まで総額1000万円募る

公開日時 2024/09/24 04:52
慶應義塾大学は9月20日、若年性認知症の研究推進を目的としたクラウドファンディングを開始すると発表した。慶應義塾大学病院に診療科の枠を超えたチーム医療体制で認知症治療および研究に特化する目的で開設した「メモリーセンター」を通じて行うもの。クラウドファンディングサービス「READYFOR」で9月20日から11月18日まで1000万円を目標に寄付を募る。

65歳未満の若年性認知症患者は、国内で約3万6000人と報告される。平均発症年齢は54.4 歳で、働き盛り世代で発症し、本人だけでなく家族の生活にも大きな影響をおよぼすという。慶應義塾大学病院には認知症治療および研究に特化した「メモリーセンター」があり、この中に設置した認知症専門外来メモリークリニックは2008年に設立された。メモリークリニックの受診者数は、2023年実績で初診は約250人、再診は月平均 200人。

◎「手遅れなのでレカネマブは投与できませんと伝えるのは、大変心苦しく感じている」

メモリークリニックでは、2023年末に承認されたアルツハイマー病治療薬レカネマブ(レケンビ)の積極的な導入を行っているという。クラウドファンディングのプロジェクトメンバーは今回の取り組みについて、「目指すところは認知症の早期発見、“脳のデトックス”」と強調する。「レカネマブに最後の希望を持って病院に来た患者さんに、手遅れなのでレカネマブは投与できませんと伝えるのは、大変心苦しく感じている」と指摘。「がんや生活習慣病のように、人間ドックや集団検診で血液検査を受け、異常が出た場合に、“もう脳の中でアミロイドの蓄積が始まっています”ということで症状がなくても治療を始められるような環境が整えばと思っている」とコメントした。

プロジェクトは「若年性認知症の克服に向けた研究を推進し、治療や早期診断へつなげたい」と題し、11月18日 23 時まで1000万円の寄付を募る。形式は寄付金控除型All-or-Nothing方式。資金使途は、消耗品費(iPS細胞研究用、バイオマーカー探索用の培地や試薬費用)、外注費用(RNA/DNA 次世代シークエンサー解析費用など)、諸経費(各種手数料など)。ギフトとして、お礼のメールや「研究報告(PDF)」、「講演会へのご招待(ハイブリッド開催)」などを予定する。

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