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Meiji Seika ファルマ・小林社長 コンソーシアム形成に意欲「品質維持と生産効率を向上」

公開日時 2024/08/06 04:52
Meiji Seika ファルマの小林大吉郎代表取締役社長は本誌インタビューに応え、「コンソーシアム構想で実現できるのは、品目統合(屋号の統一)による生産効率の向上と品質マネジメントを統一することだ」と話し、コンソーシアム構想の早期実現に意欲をみせた。メリットの一つに“品質マネジメント”をあげたことも特徴的だ。コンソーシアムに加わる企業の製造する製品の品質を維持することで、「安定供給も実現可能となる」と小林社長は強調する。製造販売業者として、小林化工問題に直面した同社だが、「そういう経験を活かし、実績のある我々だからこそできる」と同社の有する信頼性保証機能の活用に自信をみせる。同社の描くコンソーシアム構想について小林社長に話を聞いた。(望月英梨)

Monthlyミクス8月号(8月1日発行)の巻頭特集Promotionでは、「ジェネリック業界再編に動き出す企業」と題し、産業構造をテーマに、サワイグループホールディングス、東和薬品、Meiji Seika ファルマの3社にトップインタビューを行いました。一問一答は、こちらから。

同社の描くコンソーシアム構想について小林社長は、「基本概念は、各社の既存アセットを有効活用して生産拠点を整理することで、“少品種大量生産”へ移行すること。さらに受け皿として、“機能統合法人”を立ちあげ、そこに営業・信頼性保証機能をアセットとして切り出し、品目統合(屋号の統一)をし、生産効率を上げるという考えだ」と説明する。生産拠点を有する企業2~3社が参画することを想定し、機能統合法人から製造委託を行い、納品をしてもらう。得られた利益は、投資比率などでシェアするようなイメージだ。

ただ、「最初から定型フォームがあって、それに合わせるのではなく、様々なパターンがあると思っている。参画する企業が有するアセットや品目を踏まえ、何をしたいかを話し合いながら、コンソーシアムの形を模索していきたい」と話す。

機能統合法人は営業機能を有することから、「我々の参加するコンソーシアムでは、当然販売はMeファルマが機能統合会社に切り出され、その一翼を担うことを想定している。ただ、販売組織のある会社とコンソーシアムを組む場合は、様々なパターンがあると思っている」と強調する。

◎コンソーシアムでは「本当に必要な品目を生産」 「安定確保医薬品B・C」を想定

コンソーシアムを通じて生産する品目として、「安定供給が求められている“安定確保医薬品B(29成分)、C(456成分)”の品目について、まず機能統合会社で選択すべきではないかと考えている。参加企業がコンソーシアムで全品目を生産するわけではない。本当に必要な品目を生産しようということだ」と話す。

◎「企業が自律的な動き示さなければ“ジェネリック不要論”も」 小林社長の抱く危機感

コンソーシアム構想の実現に急ぐ小林社長が抱くのが、強烈な危機感だ。「企業が自律的な動きを示さなければ、“ジェネリック不要論”が起きるかもしれない」と話し、個社の利害得失を超えた議論の必要性を説く。今後、人口減少が進み、低分子医薬品の後発品参入が減少する中で、「日本市場だけでビジネスを考えているのであれば、設備過多になる時期が必ず来る。既存のアセットをどう有効活用するかが、まず入口として必要だと考えた」とコンソーシアム構想に至った理由を明かす。

「戦略を共有できる価値観を持つ企業であれば、あっという間に実現できるのではないか」と小林社長。「経営トップ同士が合意すれば、手続き論だけだ。一部変更承認申請などを経ずに、承継の形を取れば、基本合意締結から半年から1年程度の期間で実現できる。我々は、マジョリティを取ることは必須ではないと考えており、できる限り早くスタートさせたいと考えている」と強調する。水面下での交渉も進むが、「私が見通せない部分も多いが、今のままではダメだと感じられている企業が多いと感じている。我々の新たな考え方について基本的には賛成だが、細部を社内で検討するというケースが多い」と話す。

◎政府にスケールアップの支援求める 新工場建設の支援は「考えていない」

こうした業界再編に向けた企業の動きを後押しする施策の必要性も強調。「製造設備の増強に加え、手続きなどの枠組みについて政府に一定の支援をお願いしたい。政府が決めることであり、我々が具体像について話す立場にないが、安定確保のために生産効率をあげ、大規模生産するという設計図に対して、投資額を支援していただければと考えている」と述べた。

ただ、「増産体制を実現するために、新工場の建設に対する支援、ということは考えていない」と強調。「コンソーシアム構想は、既存のアセットを活用することが一つのポイントだ。生産設備を一つの企業に片寄せした際の、スケールアップには、数千万から億単位規模の費用がかかる。この支援をお願いできればと考えている」と要望した。



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