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内閣官房健康・医療戦略室 創薬力強化で工程表 外資系企業・外資VCを呼び込み民間投資の倍増狙う

公開日時 2024/07/31 04:52
内閣官房健康・医療戦略室は7月30日、「創薬力の向上により国民に最新の医薬品を迅速に届けるための構想会議」の中間取りまとめを踏まえた政策目標と工程表を発表した。工程表では、外資系企業と外国資金の呼び込みを目的とした「官民協議会」を24年度末までに発足させるほか、日本のアカデミアと海外企業・VCを橋渡しする事業経費を25年度政府予算で要求するとした。その結果、国内イノベーション促進プログラムを有する外資系製薬企業の数を23年度実績の7社から14社に倍増させる方針。一方、ドラッグ・ラグ/ロスが指摘される86品目のうち「必要性の高い医薬品」の開発を26年度までに着手させ、開発促進に向けた評価・支援体制を構築するとした。このほか、国際水準のFIH(ファート・イン・ヒューマン)試験実施体制の整備を目的とした予算を確保し、2028年度までに10件整備する目標を明記した。

◎国内イノベーション促進プログラムを有する外資系製薬企業の数を倍増

政府はこの日開催した「創薬エコシステムサミット」を契機に、新興バイオファーマを含む外資系企業と外国資金を呼び込むための「官民協議会」の正式発足に向けた議論を本格化させる。官民協議会は、日本の創薬力強化に民間の声を反映させることを目的としたもので、米国研究製薬工業協会(PhRMA)から常設会議体の設置が日本政府に要請されていた。新設する「官民協議会」は、バイオ集積地である米国ボストン等の人材やノウハウを呼び込むことで、創薬エコシステムの醸成に役立てる狙いがある。工程表では、官民協議会の下で、日本のアカデミアやスタートアップと外資系企業やVC(ベンチャー・キャピタル)との橋渡しを支援するための事業経費を25年度政府予算案に盛り込む方針が明記された。その上で26年度から28年度にかけて、国内イノベーション促進プログラムを有する外資系製薬企業の数を23年度実績の7社から14社に倍増するKPI(成果指標)を設定している。

◎ラグ/ロスが指摘される86品目 「必要な医薬品」について26年度中に開発に着手

一方で、製薬業界側が主張してきたドラッグ・ラグ/ロスについては、小児、難病、希少疾患用医薬品の開発に向けたPMDAの組織・人員体制の強化、希少疾患用医薬品の開発助成に必要な費用などを25年度予算案に計上する。その上でラグ/ロスが指摘される86品目のち「必要な医薬品」については26年度中に開発に着手、小児用医薬品の開発計画の策定件数を50件(24~28年度累積)、希少疾病用医薬品の指定件数を200件(24~28年度:18~22年度累積実績151件)をKPIに設定した。

◎FIH試験実施体制を28年度10件整備 KPIとして公表

国際水準の臨床試験実施体制では、FIH試験実施体制を28年度に10件、FIH試験実施施設で従事する人材の研修プログラム受講者の勤務施設20件(23年度実績0件)を成果目標とした。また、海外企業の国内治験実施を支援するサポート人材の育成や配置、ワンストップサービス窓口の設置については25年度予算案に計上し、国際共同治験の相談件数の拡大(28年度・年間15件)を図る。さらに、Single IRBの原則化やDCT(分散型臨床試験)を推進する。Single IRBは25年度中までに目標設定するほか、DCTについては、臨床中核病院における治験の実施件数を22年度実績の5試験から28年度には15試験まで拡大する。

◎CDMO支援 デュアルユース設備を有する拠点を28年度16拠点に

このほかにバイオ製剤など新規モダリティ医薬品の国内製造体制の強化も工程表に明記した。CDMOに対する支援では、デュアルユース設備を有する拠点を28年度に16拠点(現在0拠点)とするほか、バイオ製造人材の育成については予算化し、研修の累積受講者数を28年度に750人まで拡大する。
 
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