卸連・宮田会長 25年度薬価改定の「中断」や「廃止」を求める 次年度の予算編成に向け活動強化
公開日時 2024/07/26 04:50
日本医薬品卸売業連合会(卸連)の宮田浩美会長は7月25日の定例会見で、2025年度薬価改定の「中断」や「廃止」を求めて活動していくと改めて強調した。政府が6月21日に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2024(骨太方針)」では、25年度薬価改定は安定供給確保の必要性や物価上昇の環境変化などを踏まえて、「その在り方について検討する」と記載された。宮田会長は骨太方針2024を引き合いに、中医協での業界意見陳述などの場で、「25年度薬価改定のあるべき姿を話していきたい」と述べた。
骨太方針2024では、25年度薬価改定に関して、原案にはなかった「物価上昇など取り巻く環境の変化を踏まえ」との文言が追加される一方、原案にあった「その具体的な在り方について検討する」の「具体的な」が最終的に削除された。
宮田会長はこの日の会見で、「原案にあった『具体的な在り方』とすると、25年度薬価改定を行うことが前提になる。その中身の係数などを検討するということになる」と指摘。日本薬業政治連盟(薬政連)の鹿目広行会長とともに、「具体的な」との文言削除に奔走したと振り返った。この一連の動きはこの日の卸連理事会に報告。年末までの次年度の予算編成過程において、卸連として25年度薬価改定の中断などを求めて活動していくことを確認した。
◎Amazonファーマシー 医薬品卸に「影響が全くないわけではない」 安定供給の動向注視
宮田会長は、Amazonが7月23日から開始した「Amazonファーマシー」による医療用医薬品卸売業への影響について、「影響は全くないわけではない」と現時点での受け止めを語った。
Amazonファーマシーは、Amazonショッピングアプリ上で、電子処方箋をもとに、参加薬局によるオンライン服薬指導や処方薬の配送サービスを受けられるというもの。参加薬局は23日時点で約2500店舗。Amazonは慢性疾患で医薬品の切り替えが少ない患者などの利用を想定しているという。
宮田会長は、継続的な服薬指導がどのように行われるのかと指摘したほか、電子処方箋をもとに最終的に患者の手元に医薬品が届くため、「(医薬品卸としては)お取引の状況が変化していく可能性は全くないわけではない」との見方を示した。そして、Amazonファーマシーへの参加薬局数の動向とともに、特に安定供給の状況を注視していく構えをみせた。
【訂正】下線部の表記に誤りがありました。訂正します。(7月26日11時30分)