日本保険薬局協会（NPhA）の三木田慎也会長は11月20日、「薬価制度における中間年改定の廃止に関する要望書」を福岡厚労相宛てに提出した。要望書では、医薬品の供給不安が継続する中にあっても、「かかりつけ薬剤師・薬局、認定薬局等の機能向上、マイナ保険証の普及や電子処方箋対応など、医療 ＤＸの推進にも積極的に取り組んできた」と主張。「薬価制度における中間年改定が、これらの取り組みの持続的な推進を阻害する要因となっている」との危機感を表明し、薬価中間年改定の「廃止」を訴えた。

要望書では薬価中間年改定の影響に言及。医薬品供給が不安定な状況となっていることを捉えて、「薬局における適切な薬剤の提供、また在庫管理が困難となっている」と指摘。「これらのことにより、患者の治療に影響を及ぼす事態も起きている」として。国民が必要な時に必要な薬物治療を受けられない事態を改善するために（中間年改定の）見直しを要望するとした。

地域医療への影響にも触れ、「物価及び賃金の高騰や、医薬品供給の不安定化による仕入れ価の上昇等の影響により薬局経営は厳しさを増している」と現状認識を表明。「結果として、地域医療の重要な担い手である薬局の持続的な運営が脅かされ、地域医療体制の維持に支障をきたす」と指摘し、「幅広く地域医療へ、持続的に貢献をするためにも見直しを要望する」と強調した。