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大塚製薬 「AVP-786」の開発を中止 大塚HDの第2四半期連結累計期間に約1000億円の減損損失を計上

公開日時 2024/05/23 04:50
大塚製薬は5月22日、アルツハイマー型認知症に伴うアジテーション(攻撃的行動及び発言、非攻撃的行動の亢進、焦燥を伴う言動等)の治療薬として米国子会社が開発中の新規化合物「AVP-786」について、開発を中止すると発表した。2月に発表した第3相臨床試験(NCT03393520:#305試験)で主要評価項目のCMAI総スコアがプラセボ群との比較で統計学的有意差を見いだせず、その後、試験結果の詳細な解析を行い、総合的に同剤の開発を中止する判断をした。この決定を受けて大塚HDは同日、AVP-786 の開発中止による減損損失として約1000 億円計上した。

AVP-786の第3相臨床試験は、中程度から重度のアルツハイマー病に伴うアジテーション症状を有する50~90歳の患者約600例を対象とした12週間の多施設共同、ランダム化、プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験。AVP-786の有効性、安全性および忍容性を検討した。主要評価項目は、アジテーション症状29項目の出現頻度を評価する指標(CMAI総スコア)のベースラインから試験期間である12週間目までの平均変化量を据えた。その結果、主要評価項目についてAVP-786投与群とプラセボ群との間に統計学的有意差が認められなかった。

◎大塚HD 売上収益は約630億円増収 営業利益は730億円減益に修正 第2四半期(累計)連結業績予想

この発表を受けて大塚HDは、第2四半期連結累計期間においてAVP-786 の開発中止による減損損失として約1000 億円計上した。また前回予想の138円/米ドルから150円/米ドルへと為替前提を見直したほか、前回予想に織り込んでいなかったマイルストン収入により、24年12月期第2四半期(累計)の連結業績予想数値の売上収益は約630億円増収の1兆1000億円。事業利益は205億円増益の1850億円、営業利益は前回予想から730億円の減益の950億円にそれぞれ修正した。
 
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