薬価改定を４月に控える中で、不採算品再算定品目で出荷調整が相次いでいる。これに対し、厚生労働省医政局医薬産業振興・医療情報企画課の水谷忠由課長は３月14日の中医協薬価専門部会で、不採算品再算定品目が医療上の必要性が高い品目であることに触れたうえで、「不採算品再算定で薬価が上がることを念頭に、製造販売業者が“売り惜しみ”をするというようなことはあってはならないことだ。そうした状況の把握、私どもとしてしっかりその把握に努めるとともに、安定供給に支障をきたすような事案が発生した場合には、必要な指導を行う」と述べた。

中医協診療側の長島公之委員（日本医師会常任理事）は、この日の中医協の議題にはなかったが、24年度改定で特例的な対応がなされた不採算品再算定品目に言及。「医薬品の安定供給が製薬企業に対して求められていることは、この中医協でも再三指摘してきたが、最近また限定出荷される品目が、増えているようだ」と指摘。

厚労省医政局医薬産業振興・医療情報企画課が３月５日に発出した事務連絡で、「今回、不採算品再算定の適用となった医薬品は、保険医療上の必要性が高いと考えられる品目として製造販売業者から報告されたものであり、その安定供給を継続させていくために、適正な価格で流通することが望まれる」とされていることに触れ、「不採算品再算定を受けた品目については、流通の動向を厚生労働省の責任において継続的に確認をお願いしたい」と要望した。

◎水谷産情課長「安定供給した事案が発生した場合は必要な指導を行う」

これに対し、水谷産情課長は事務連絡を流通当事者すべてに周知したことを説明したうえで、「不採算品再算定の適用となった医薬品は保険医療上の必要性が高いものであり、供給不安が続いているが、安定供給を継続させていく必要があるものだ。そうした観点からも、不採算品再算定で薬価が上がることを念頭に、製造販売業者が“売り惜しみ”をするというようなことはあってはならないことだと思っている」と強調。「そうした状況の把握、私どもとしてしっかりその把握に努めるとともに、安定供給に支障をきたすような事案が発生した場合には、必要な指導を行う」と述べた。

診療側の長島委員は、「しっかりした対応をお願いする」と念押しした。