ジャディアンスのCKD適応追加など3製品を審議へ 1月26日の薬食審・第一部会で
公開日時 2024/01/15 04:49
厚生労働省は1月26日に薬食審・医薬品第一部会を開き、日本ベーリンガーインゲルハイムのSGLT2阻害薬・ジャディアンスへの慢性腎臓病(CKD)の適応追加など新薬3製品の承認可否を審議する。ジャディアンスは10mg錠と25mg錠の2規格あるが、CKDの適応追加申請は10mg錠で行われている。
このほかの審議品目は、ノーベルファーマの新規低亜鉛血症治療薬・ジンタス錠(一般名:ヒスチジン亜鉛水和物)、ノバルティスファーマのアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)・エンレストへの慢性心不全の小児用量追加と、これに伴う粒状錠の剤形追加となる。
【審議予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
▽ジャディアンス10mg錠(エンパグリフロジン、日本ベーリンガーインゲルハイム):「慢性腎臓病。ただし、末期腎不全又は透析中の患者を除く」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。
SGLT2阻害薬。ジャディアンスは2型糖尿病と慢性心不全の適応を持つ。慢性腎臓病(CKD)が承認されれば3つ目の適応取得となる。
競合するSGLT2阻害薬の中で、CKDに係る適応を持つ薬剤は2剤ある。ひとつはフォシーガで、効能・効果は「慢性腎臓病。ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く」。もう1剤はカナグルで、効能・効果は「2型糖尿病を合併する慢性腎臓病。ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く」となっている。ジャディアンスは2型糖尿病の合併有無によらない、フォシーガに近い形でのCKD適応の取得を目指す。
CKDは腎障害を示す所見や腎機能の低下が慢性的に持続する疾患。CKDは死亡や心筋梗塞、脳卒中、心不全などの心血管疾患のリスクファクターで、進行すると末期腎不全に至り、透析療法や腎移植術が必要となる。CKDの治療目的は、腎機能の低下を抑え末期腎不全への進行を遅らせること、および心血管疾患の発症を予防することになる。
▽ジンタス錠(ヒスチジン亜鉛水和物、ノーベルファーマ):「低亜鉛血症」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。開発コードはNPC-25。
▽①エンレスト錠50mg、②同錠100mg、③同錠200mg、④同粒状錠小児用12.5mg、⑤同粒状錠小児用31.25mg(サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物、ノバルティスファーマ):「慢性心不全」を対象疾患に小児用量を追加する、①②③は新効能・新用量医薬品。④⑤は新効能・新用量・剤形追加に係る医薬品。
ネプリライシン阻害薬サクビトリルとARBバルサルタンを含有するアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)。現在、成人の慢性心不全と高血圧症を適応としており、今回、慢性心不全の小児用量の追加及び粒状錠の追加を審議する。
【報告予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。
▽注射用エンドキサン100mg、同500mg(シクロホスファミド水和物、塩野義製薬):「造血幹細胞移植における移植片対宿主病の抑制」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。事前評価済公知申請。
アルキル化剤。今回追加する効能の用法・用量は、「通常、シクロホスファミド(無水物換算)として、1日1回50mg/kgを2~3時間かけて点滴静注し、移植後3日目及び4日目、又は移植後3日目及び5日目の2日間投与する。なお、患者の状態により適宜減量する」となる予定。