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後発品検討会 後発品産業のあるべき姿で“コンソーシアム”形成の声 「5年」で構造転換を

公開日時 2023/12/26 04:51

厚労省の「後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会」は12月25日、後発品産業のあるべき姿の明確化に向けて議論を行った。「品質の担保された後発品を安定的に供給し続ける企業」を実現するためのビジネスモデルとして構成員からは、数社で協業しあう“コンソーシアム”について意見が集中。品質を確保するうえで、QC(品質管理)やQA(品質保証)など人材確保が重視される中で、こうした人材確保の難しさも指摘されるところ。構成員からは、こうした人員を皮切りにコンソーシアムを構築する案などが出た。あるべき姿に向けた構造転換の期間としては、「5年程度」との意見が構成員からあがった。

◎市場拡大見込めない中でシェア1%未満の品目が26%占める 人材確保も課題に

後発品産業をめぐっては後発品の数量シェアが80%超となる中で、国内売上高100億円超などの大型品が減少している状況にあり、市場が大幅に拡大することは見込めない状況にある。今後特許切れとなる品目の多くがバイオ医薬品となる中で、低分子化合物主流の後発品市場の縮小も見込まれている。

一方で、製造原価や研究開発費、設備投資などについての費用で製造コストが上昇。さらに、工場などで採用する人員が目標に届かないなど、人員確保が難しくなっていることもこうしたコスト増の状況に拍車をかけている可能性を指摘した。後発品企業の不正が続くなかで、QC(品質管理)やQA(品質保証)などの教育の重要性も指摘される中で、人員の確保も重要なファクターとなっている。ただ、品目数の多い後発品企業では、1品目当たりの製造量が極めて少ない。シェアが1%未満の品目も全体の26%を占めている実態がある。

◎“品質の確保された後発品を安定供給し続ける企業”へ 人材から協業を

厚労省は、こうした中で、あるべき姿として、「品質の確保された後発品を安定的に供給し続けることができる企業」をあげ、これに向けたビジネスモデルやポートフォリオなどを議論の俎上にあげた。

後発品検討会では、以前から不適格企業が撤退した後に残る中堅・小規模企業がコンソーシアム(協業体制)を形成することで、最終的に業界全体を「大手3社+10~15程度のコンソーシアム」に集約・淘汰し、安定供給を図っていく姿が議論されており、この日も“コンソーシアム”について意見が集中。構成員からは、「製造で協業を始めるのは難しい。人手の足りないQCから始めるといったこともよいのではないか」、「システム面の一体化も一つの方法ではないか」などの意見が出た。

あるべき姿に転換していくにあたって必要な期間としては、「品質管理のための人材育成などに要する期間や、後発品企業の経営体力を考えると5年程度が妥当ではないか」、「供給不安を解決すべき期間を考えても5年程度が妥当ではないか」などの声があがった。

また、「政府による金銭的な補助だけでは対応が難しい。金融機関によるファンドなど、第三者による協力も必要ではないか。そのためには、業界としての魅力度を上げていく必要がある。そのために、政府がビジョンや作業の方向性を示すと、金融機関側も安心するのでするのではないか」などの声もあがった。

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