アステラス製薬 米Propella社を約1億7500万ドルで買収へ 前立腺がん治療プログラムを獲得
公開日時 2023/11/17 04:51
アステラス製薬は11月16日、米Propella Therapeutics社との間で、アステラス製薬が米国子会社を通じてPropellaを買収することに合意し、契約を締結したと発表した。買収金額は約1億7500万米ドルで、手元資金で充当する。アステラス製薬は本買収により、Propellaが前立腺がん治療薬として開発中の次世代アンドロゲン合成阻害薬「PRL-02」(開発コード)を獲得する。
Propella(本社:米国ノースカロライナ州)は、創薬化学とリンパ系への送達を組み合わせた独自のプラットフォームを通じて新規がん治療薬の創出を目指す未上場のバイオ医薬品企業。設立は2020年、従業員数は5人。
買収は必要な法手続きを経て24年3月期中に完了させる予定。今回の買収で獲得するPRL-02(化合物名:アビラテロンデカン酸エステル)は、アビラテロンの長時間作用型の新たなプロドラッグ。筋肉内投与後、標的組織内で高濃度になり、有効成分であるアビラテロンが持続的に放出されることが期待される。PRL-02は、CYP17リアーゼ阻害への選択性を高めることで、既存の治療選択肢と比較して有効性および安全性が改善する可能性があるという。PRL-02は現在第1相試験が進行中で、24年中に第2a相試験を開始予定。
アステラス製薬の岡村直樹・代表取締役社長CEOは、「Propellaは前立腺がんを対象とした有望なプログラムPRL-02を有している」とした上で、「アステラス製薬のがん、泌尿器領域におけるグローバルでの開発・商業化ケイパビリティとの相乗効果でPRL-02の開発を加速し、前立腺がん患者さんへ新たな『価値』を届けることができると確信している」とコメントした。