辰巳化学は10月16日、石川県から2022年9月2日付で業務改善命令を受けた松任第一工場について、1年経過後の稼働状況等について報告した。今年7月には石川県から薬機法第69 条に基づく立ち入り調査を受け、重度の指摘事項について改善が認められたと指摘。これにより、従来通り製品の承認申請や輸出のための適合性調査を受けることが出来るようになったと説明した。松任第一工場の稼働率についても、以前の稼働率にまで概ね復旧しているとした。

同社は、複数製品で承認書と異なる製造方法や試験手順が発覚したとして9月2日付で石川県から業務改善命令を受けた。これを受け同社は9月30日付で法令遵守に関する業務改善計画を県に提出。その後も改善計画の進捗状況などを適時、県に報告してきた。

今回は業務改善命令から1年を経過したことを受け、松任第一工場における適正品目数の検討と工場の稼働状況を報告した。同社は、今後、適正（製造）品目数の検討を行っていくとし、これにより松任第一工場において製造販売承認を取得している一部品目の供給停止等の連絡をする可能性があることを報告した。ただ、候補となる品目は、①医療上の必要性、②市場占有率が低い、③代替品がある、④生産数量が僅少である―などに充分に配慮すると説明。医療現場や患者に混乱を来さぬよう細心の注意を払い、検討するとしている。

一方、松任第一工場の稼働率については、業務改善命令等の対応のため、一時、生産の見合わせを行っていたとしながらも、現在は以前の稼働率にまで概ね復旧していると説明した。