慢性心不全治療薬ベリキューボ 処方増意向は9割も
血圧低下や多剤投与の問題で投与対象は限定的か
公開日時 2023/09/01 00:00
急性・慢性心不全診療ガイドラインによると、心不全とは「なんらかの心臓機能障害、すなわち、心臓に器質的および/あるいは機能的異常が生じて心ポンプ機能の代償機転が破綻した結果、呼吸困難・倦怠感や浮腫が出現し、それに伴い運動耐容能が低下する臨床症候群」と定義されている。慢性心不全はこれらの症状が断続的に発生している状態で、進行すると日常生活に支障を来すだけでなく、生命を失う原因にもなる。なかでも多いといわれる左室収縮機能障害による心不全(HFrEF)に対しては近年、新薬が相次いで登場しており、ガイドラインでの推奨薬剤もここ数年で大きく変化している。従来から使用されているβ遮断薬、ACE阻害薬、ARB、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)に加え、現在はACE阻害薬、ARBからアンジオ...