塩野義製薬 新型コロナ治療薬・ゾコーバ錠の一般流通開始 処方時は同意書の取得必要
公開日時 2023/04/03 04:50
塩野義製薬は3月31日、経口新型コロナ治療薬・ゾコーバ錠125mgの一般流通を開始した。ゾコーバは緊急承認医薬品であるため、処方にあたっては添付文書の「本剤の使用に当たっては、あらかじめ患者又は代諾者に、その旨並びに有効性及び安全性に関する情報を十分に説明し、文書による同意を得てから投与すること」との記載に従い、国が購入したゾコーバ(=国購入品)と同じく、担当医師からの説明と患者又は代諾者からの同意書の取得が必要となる。
同社は一般流通の開始について、「本日より全国の医療機関および薬局への供給を開始することで、早期診断・早期治療の実現に資する活動を進める」とコメント。そして、「引き続き、安全性情報の迅速かつ確実な収集と、医療機関に対するタイムリーな提供に取り組んでいく」としている。
一般流通品を患者に投与した場合は、通常の手続きに従って当該薬剤費を含む診療報酬請求を行えるが、原則として同一患者に国購入品と一般流通品を混同させて使用することは避ける必要がある。なお、投与した国購入品の薬剤費は、「いかなる場合であっても、患者に自己負担を求めることや診療報酬請求はできない」(厚労省)としている。
ゾコーバは塩野義製薬と北海道大の共同研究から創製された3CLプロテアーゼ阻害薬。SARS-CoV-2は3CLプロテアーゼというウイルスの増殖に必須の酵素を有しており、同剤は3CLプロテアーゼを選択的に阻害することで、SARS-CoV-2の増殖を抑制するとされる。用法・用量は「通常、12歳以上の小児及び成人にはエンシトレルビルとして1日目は375mgを、2日目から5日目は125mgを1日1回経口投与する」。薬価は125mg1錠 7407.40円、一治療薬価は5万1851.80円。