田辺三菱製薬と吉富薬品は2月3日までに、抗パーキンソン剤・ビペリデン塩酸塩錠1mg「ヨシトミ」について2月上旬にも予定する在庫消尽をもって出荷停止すると医療機関に伝達した。出荷停止の最初のアナウンスは22年12月に行った。今回は「詳細版」として改めて出荷停止の原因を含めて医療関係者に情報提供したもの。原薬製造国の製造所で、コロナ禍に関連して当該国当局から別製品供給優先の要請があり、原薬を製造できなくなったと説明。新規処方を極力控えるよう要請した。また、これに伴いビペリデン塩酸塩散1%「ヨシトミ」も安定供給に支障をきたす可能性が生じたとして、限定出荷を開始すると公表した。

出荷停止の対象製品は次の通り。ビペリデン塩酸塩錠1mg「ヨシトミ」（包装単位：100錠（10錠×10）、1000錠（10錠×100）、1000錠（バラ））。在庫消尽の時期はいずれも2月上旬としている。また限定出荷の対象製品は、ビペリデン塩酸塩散 1%「ヨシトミ」（包装単位：100g）。

◎新規処方を極力控えるよう要請　使用中の患者も原量・中止の検討を

今回の出荷停止を踏まえ両社は、医療関係者に対し、新規処方を極力控えるよう要請した。また、使用中の患者に対しては、統合失調症薬物治療ガイドライン2022における「抗精神病薬による薬剤性パーキンソン症状に推奨される治療法および予防法」などをご参考に、「可能な限り本製品の減量・中止を検討いただく必要が生じる」とし、患者の状態に合わせた処方調整を要請した。また、両社も、「同製品の減量・中止、他の抗コリン薬への切り替えに伴う副作用の発生のリスクをできうる限り減らすため、引き続き情報提供をしていく」とした。