三重大病院汚職事件で元教授が控訴 有罪の津地裁判決に不服
公開日時 2023/02/02 04:49
三重大学医学部附属病院への医薬品や医療機器の納入便宜を図る見返りに、現金を受け取ったなどとして、第三者供賄と詐欺の罪に問われた同病院臨床麻酔部元教授・亀井政孝被告は2月1日、津地裁判決を不服として控訴した。津地裁は1月19日に亀井被告に対し、懲役2年6月、執行猶予4年(求刑:懲役4年)の判決を言い渡していた。被告側は津地裁での審理で一部無罪を主張していた。
同事件では、三重大病院臨床麻酔部元教授の亀井政孝被告が小野薬品と日本光電に現金計400万円を提供させたとして、第三者供賄罪に問われたほか、小野薬品の抗不整脈薬・オノアクトを投与したように装い、診療報酬を詐取したとする詐欺罪でも起訴されていた。
亀井被告はこれまでの裁判で、日本光電に現金を振り込ませたとする第三者供賄罪は認めていたものの、小野薬品を巡る第三者供賄罪は、「オノアクトの効能に着目して積極的に使用していく方針を採用した」などと主張。詐欺罪とともに無罪を主張していたが、津地裁判決では、「寄附とオノアクトの処方が密接に関連付けられていた」などとして“寄附の対価性”が存在すると認定されていた。