エムスリーは6月8日、スペインの医療従事者向けPOCプラットフォームを提供する「iDoctus社」（本社・マドリード）を子会社化したと発表した。同社は、スペインやメキシコを含むラテンアメリカの医師を対象に、処方情報と臨床判断支援サービスを提供している。今回の子会社化でスペイン国内の医師カバー率は80％以上となる。エムスリーは欧米などの英語圏に加えて、フランス、中国、韓国、インドなどへの海外展開を図っており、今回のiDoctus社の子会社化で、スペイン語圏市場でのプラットフォーム構築やサービス提供が一層強固になると期待している。

iDoctus社の医療従事者の会員数はスペイン国内で約15万人、メキシコを含むラテンアメリカなど19か国で約35万人に及ぶ。同社は、ローカライズされた処方決定支援ツールや臨床参考情報を専門家やかかりつけ医に提供しており、実績をあげてきた。

iDoctus社のAngel Diaz AlegreCEOは、「エムスリーのグローバルな事業展開と幅広いサービスや強み、そしてモバイルに注力した同社のサービスという組み合わせにより、すでに参入している国々やそれ以外でも、革新的な医療従事者向けデジタルソリューションの開発をさらに加速させることができると期待している」とコメントした。

一方、エムスリーの都丸暁彦取締役は、「iDoctusのアプリファーストの開発能力と強力な医師会員基盤により、スペイン語圏市場における医療分野の革新、効率改善、より良い成果を推進するためのプラットフォームが一層強固なものになると考えている」と強調した。