サンドは５月25日、抗がん剤・アバスチンの３番手のバイオシミラーとなるベバシズマブＢＳ点滴静注「日医工」を５月30日に発売する予定と発表した。同ＢＳの製造販売元の日医工は業績が悪化し、私的整理の一種の事業再生ADRを申請している。サンドは本誌取材に、同ＢＳの安定供給について、「製造販売元は日医工だが、製造委託先はスペインのマブサイエンス社になる。役割分担しており、安定供給は問題ないと判断した。十分な供給体制が整っている」とコメントした。

サンドは日医工との同ＢＳの販売権許諾契約に基づき、国内で独占的に販売する。

サンドは４月１日付で、同ＢＳを手掛ける専門組織「オンコロジーバイオ事業部」を新設した。事業部長には一守（いちもり）健太郎氏が就いた。ＭＲ数は非開示。主にがん専門薬剤師、薬剤部、処方医を対象に情報提供・収集活動する方針で、「本剤の提供を通して一人でも多くのがん患者さんの現在・未来に貢献したい」としている。

サンドはバイオシミラーのグローバルリーダーだが、日本では成長ホルモン製剤のソマトロピンＢＳしか取扱製品がない。拡大が期待されるオンコロジー領域製品の拡大、ＢＳ製品のポートフォリオ拡充、既存の病院ネットワークの更なる強化、持続可能な医療制度への貢献――のためにもベバシズマブＢＳを「重要な製品」と位置付けて展開する。なお、サンドは23年までに日本市場における外資系ジェネリック医薬品メーカーで売上ナンバーワンになることが目標で、「病院ネットワークを軸とした営業体制の強化とＢＳ事業の更なる成長を推進する」としている。