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PMDA 不妊治療に係る医薬品の副作用「卵巣過剰刺激症候群」で注意喚起 近年増加傾向

公開日時 2022/04/27 04:50
医薬品医療機器総合機構(PMDA)は4月26日、不妊治療で排卵誘発や調節卵巣刺激に用いる医薬品の副作用として知られている「卵巣過剰刺激症候群(OHSS)」について、副作用報告数が近年増加傾向にあることに加え、中等症OHSSに相当する所見が認められても治療継続された症例もあるとして、「適正使用のお願い」を発出した。

PMDAは医療関係者に対し、OHSSの早期発見や適切な処置ができるよう、患者にOHSSの説明を行うことのほか、▽患者の自覚症状(重度の骨盤痛、下腹部痛、下腹部緊迫感、腰痛、悪心・嘔吐等)▽急激な体重増加▽卵巣腫大(内診、超音波検査、血清エストラジオール値検査等)――に留意し、OHSSが認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うよう求めた。

「適正使用のお願い」では、不妊治療が継続され、重症OHSSに至った典型例も紹介。例えば、ヒト下垂体性性腺刺激ホルモン(hMG)を用いた調節卵巣刺激を行った症例で、多数の発育卵胞により卵巣がかなり腫大し、血清エストラジオール(E2)値が2万pg/mLを超え、中等症OHSSを発症していたものと考えられたが、同日ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)を投与。40個以上採卵した当日にOHSSは重症化し、入院加療に至った。

hMGを用いた調節卵巣刺激を行った多嚢胞性卵巣症候群の症例では、hMG投与中、血清E2値が1万pg/mL以上、卵巣最大径は8cmを超え、腹水を認め、中等症OHSSを発症していたものと考えられたが、同日hMGとhCGを投与。採卵直後にOHSSは重症化し、入院のうえ集中治療が必要になったという。 

◎OHSSの副作用報告数 19年度59件、20年度72件、21年度81件

なお、PMDAに近年報告されたOHSSの副作用報告数は19年度59件、20年度72件、21年度81件――、PMDAにおける副作用救済給付の決定件数は同23件、46件、51件――と増加傾向にある。21年度の副作用報告や救済給付の決定事例では、「hMG、hCG、コリオゴナドトロピンアルファ(遺伝子組換え)、ホリトロピンアルファ(遺伝子組換え)、uFSHが多く報告されている」としている。
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