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中医協総会 費用対効果評価制度改革を了承 PhRMAとEFPIAは運用時の判断で「不明な点」を指摘

公開日時 2022/01/20 04:50
中医協費用対効果評価専門部会・総会は1月19日、2022年度費用対効果評価制度改革を了承した。あわせて、「費用対効果評価の分析ガイドライン第3版」も了承された。2019年度の制度導入から初めての見直しとなる22年度費用対効果評価制度改革では、分析前協議に1回目から臨床専門家の参加を認め、分析プロセスを見直すなど、できるだけ速やかに評価結果を薬価に反映できるようにした。これを受けて米国研究製薬工業協会(PhRMA)および欧州製薬団体連合会(EFPIA)は同日、「本制度の大きな枠組みを変更しないことが確認され、運用プロセスについても一部改善が図られた」との見解を表明。ただし、運用時の判断に関しては、「不明な点がいくつか存在する」と慎重な姿勢を示し、継続的な議論を求めた。

◎欧米製薬団体が見解「運用に際してQ&Aを発出するなど共通理解のもとで実施を」 

PhRMAとEFPIAは22年度費用対効果評価制度改革について、「適切な制度運用を目指して分析前協議、分析対象集団に対する考慮、効能追加時の分析などについて改善がみられた」と評価した。そのうえで、「分析期間の超過の判断、分析対象集団の設定、H3 区分の設定、効能追加時の分析の免除に関して、実際にはどのようなケースでこれらが実施されるのかが不明な部分がある」と指摘した。また、「追加的有用性の有無の判断や、ドミナント(比較対照技術に対し効果が増加し、かつ費用が削減される)医薬品の評価などに関しては、引き続き改善に向けた検討をいただきたい」と要望。「今後、より高い予見性と透明性を維持しながら、運用していくためにも上記の疑問を解決できるよう、Q&A などの発出により、共通の理解のもと費用対効果評価が実施されていくことを希望する」とした。

費用対効果評価の分析ガイドライン(第 3 版)については、「割合の決定(ガイドライン 3.3)、追加的有用性の評価(ガイドライン 5.1)など、今後の運用時に理解の齟齬が生じ、結果として公的分析と企業分析間における結果の大きな乖離、分析期間の延長等につながることが危惧される改定も含まれる」と指摘し、ガイドライン改定の経緯や変更点についての説明を要望した。

PhRMAとEFPIA は、「日本の患者さんにイノベーションをお届けしていくために、予見性・透明性の改善、科学的に妥当な議論を推進すべく、引き続き積極的に費用対効果評価の議論に参加し、日本政府をはじめ、様々なステークホルダーの皆さまと協力していく」としている。

◎22年度薬価制度改革も中医協総会で了承

なお、同日の薬価専門部会・総会では、22年度薬価制度改改革についても了承された。新薬創出等加算の対象外の既収載品については、新規作用機序医薬品に相当するものに限らず、新規収載時であれば有用性加算等に相当する効能・効果等が追加された場合には、対象領域等の一定の要件を付した上で、新薬創出等加算の対象とするなど、革新的な医薬品におけるイノベーションを評価することなどを盛り込んだ。22年4月以降に追加された効能又は効果に係る医薬品医療機器等法の承認を受けたものに適用する。

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