第一三共 EZH1/2阻害薬バレメトスタット 再発・難治性ATLを対象疾患に承認申請
公開日時 2022/01/07 04:49
第一三共は12月28日、EZH1/2阻害薬バレメトスタット(一般名、開発コード:DS-3201)について、再発または難治性の成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)を対象疾患に日本で承認申請したと発表した。同適応で、希少疾病用医薬品に指定されている。
申請は、日本で実施した多施設共同、非盲検、単群、第2相臨床試験の結果に基づく。20歳以上のモガムリズマブ投与歴のある再発又は難治性ATL患者、あるいはモガムリズマブ不耐・適応外で1レジメン以上の全身化学療法を施行した再発又は難治性ATL患者を対象に、1日1回、1回200mg経口投与し、有用性を検証した。
EZH1及びEZH2は多くの血液がんで発現しているヒストンメチル化酵素。がん抑制遺伝子の不活性化に関係している。同剤はエピジェネティクス(DNA配列の変化を伴わない遺伝子発現変化を誘導する分子メカニズム)領域の低分子医薬品で、EZH1及びEZH2を選択的に阻害することで、これらに依存して増殖するがん細胞を抑制する。
ATLは、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)の感染が原因で発症する疾患で、日本に多い悪性リンパ腫の一種。国内の年間新規患者数は約1000人、年間死亡者数は約1000人と推定されている。ATLの発症予防や有効な治療法は十分に確立されておらず、予後不良とされている。