薬食審・医薬品第一部会 アルツハイマー病治療薬アデュヘルムを審議 12月22日に
公開日時 2021/12/14 19:45
厚生労働省は薬食審・医薬品第一部会を12月22日に開催し、アルツハイマー病治療薬アデュヘルム点滴静注170mg、同300mg(一般名:アデュカヌマブ(遺伝子組換え))の承認について審議する。12月に同部会を開催するのは異例となるが、医薬品医療機器総合機構(PMDA)での審査が終了したことに加え、対象患者が多く社会的影響も大きいことから、早期に結論を得る必要があると判断した。この日は同剤の最適使用推進ガイドラインについても審議する。
【審議予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
▽アデュヘルム点滴静注170mg、同点滴静注300mg(アデュカヌマブ(遺伝子組換え)、バイオジェン・ジャパン):「アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度のアルツハイマー型認知症の進行抑制」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。
アミロイドベータ(Aβ)を標的とする抗体。全世界でバイオジェンとエーザイが共同開発・製品化を進めている。軽度アルツハイマー病(軽度AD)において、同剤は臨床試験の結果から、認知機能の低下(悪化)を抑制し、金銭管理、家事(掃除、買い物、洗濯など)や単独での外出などの日常生活動作におけるベネフィットが得られることが期待されている。
米国では、20年11月の米FDAの末梢・中枢神経系薬物諮問委員会でエビデンスが不十分との専門家の見解が大半を占めたものの、21年6月に迅速承認され、迅速承認後に諮問委員会の委員3人が辞任するなどの事態に発展した。米保健福祉省(HHS)の監察総監室によって、迅速承認のプロセスの調査が行われている。欧州では11月に、欧州医薬品委員会(CHMP)から承認に否定的なTrend Voteの結果が出ている。