中外製薬 ヘムライブラ、後天性血友病Aの適応追加を申請
公開日時 2021/11/15 04:48
中外製薬は11月11日、血友病A治療薬ヘムライブラについて、「後天性血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向の抑制(後天性血友病A)」の適応追加を申請したと発表した。後天性血友病Aは国の指定難病に含まれ、アンメットメディカルニーズが高い。
同剤の今回の追加適応について、厚労省から10月に希少疾病用医薬品に指定されており、優先審査される。
◎既存の治療戦略を変えることを目指す
後天性血友病Aは、後天的に血液凝固第VIII因子に対する阻害物質(インヒビター)が出現し、その結果、第VIII因子活性が著しく低下して突発的な皮下出血や筋肉内出血などの出血症状を呈する疾患で、重篤な出血も稀ではない。その本態は膠原病や悪性腫瘍、分娩などを背景に第VIII因子に対する自己抗体が産生される自己免疫疾患。
出血リスク低減のために、インヒビターの消失を目的とした免疫抑制療法を行う必要があるが、免疫抑制療法は重症感染症を引き起こすリスクを伴い、急性期の感染症コントロールの重要性が指摘されている。
中外独自の抗体エンジニアリング技術を用いて創製されたバイスペシフィック抗体のへムライブラはインヒビターの影響を受けずに出血抑制効果を発揮するよう設計されている。同社は、「免疫抑制療法を含めた既存の治療戦略を変えることを目指している」としている。