ヘルスケア産業プラットフォーム ものづくり産業労組「JAM」が加盟 労組121組織、約6.4万人に
公開日時 2021/11/12 04:50
UAゼンセンとJEC連合が設立したヘルスケア産業プラットフォームは11月11日、医療機器を中心にヘルスケア産業に働く労組を多数組織する、ものづくり産業労働組合「JAM」が正式に加盟したと発表した。同プラットフォームは3つの産業別労働組合(産別)で構成することになった。これにより、同プラットフォームに所属する労組は121組織、約6.4万人となる。
同プラットフォームでは、ヘルスケア産業が直面する課題を産別の垣根を越えて共有し、解決に向けた政策や提言をまとめ、厚労省や業界団体に要請活動などを行っている。ヘルスケア産業の多様な労組が結集し、産業の健全な発展と、国民の健康や生活に貢献することを目的としている。
JAMは約1900労組、39万人が加盟している。連合を構成する産別の中でJAMは5番目の勢力で、連合初の女性会長となった芳野友子氏の出身産別でもある。今回、同プラットフォームに、JAMの中の医療関連の労組47組織、6881人が加わった。47組織の75%は医療機器の製造販売に携わり、健康機器、健康食品、化粧品のほか、病院関係の労組なども入っている。医療機器関係では、横河電機や島津製作所、帝人ナカシマメディカルなどの労組が含まれる。
同プラットフォームの篠原正人代表(武田薬品労組)はこの日の総会後の会見で、JAMの加盟で医療機器などの労組が多数所属することになったことで、「より幅の広い活動が展開できるようになった」と述べた。同プラットフォームに参加する労組数は増えたが、トータルの人員数は各社での合理化もあって、「あまり増えていない」とも話した。
◎営業、生産、研究開発の3つの職種別委員会を設置へ
同プラットフォームはこの日の総会で、新役員と2022年度の活動方針を決めた。新役員の任期は総会から次の総会まで、会計年度は21年9月~22年8月となる。代表には、これまで共同代表を務めていた篠原氏が就き、副代表には鴻上達也氏(日本新薬労組)と菊池栄男氏(クボタユニオン)が就任した。
21年度は労組の連携強化や密な交流・情報交換に向けて、▽先発品▽後発品▽OTC▽医療機器・材料▽医薬品卸――など7つの業種別委員会を設置した。22年度は業種横断的な職種別委員会を設ける方針で、篠原代表は▽営業▽生産▽研究開発――の3委員会を設置することを明らかにした。
このほか、今年11~12月に厚労省に対し、22年4月の診療報酬・薬価改定に関する要望活動を行うとした。鴻上副代表は、現場からの意見を吸い上げて要望内容を詰めていくと強調した上で、大きな方向性としては、6月に厚労省に提出した22年度予算概算要求を見据えた要請書
(記事はこちら)から「大きく変わるものではない」との見方を示した。6月の要請書では、革新的新薬創出のための研究人材確保に向けた環境整備や、原薬製造にかかる原薬管理に従事する人材の確保支援などを求めた。