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第一三共 がん治療用ウイルス・デリタクト注を発売 当面は治験実施施設に供給

公開日時 2021/11/02 04:50
第一三共は11月1日、悪性神経膠腫に用いるがん治療用ウイルス「デリタクト注」(一般名:テセルパツレブ)を発売した。遺伝子組換え技術により、がん細胞でのみ増殖するよう設計された人為的三重変異を有する増殖型遺伝子組換え単純ヘルペスウイルス1型(第3世代がん治療用単純ヘルペスウイルス1型)。がん細胞に同ウイルスを感染させると、ウイルスが増殖するとともにがん細胞を破壊・死滅させ、抗腫瘍免疫も誘導するとされる。

同製品はグレード3、4の悪性神経膠腫に対する治療法となる。基本的に、放射線治療及びテモゾロミドの治療歴を有し、治療後にも腫瘍が残存または治療後に再発した病変数が1つの膠芽腫患者に対する治療法となる。

同社は、「本品を通じてアンメット・メディカル・ニーズが高い悪性神経膠腫における新たな治療の選択肢を提供することで、患者さんに貢献できるものと期待している」とコメント。また、「当面の間、本品は治験実施施設のみへの供給となるが、一刻も早く安定的な供給体制を整える」としている。

同製品は東京大学医科学研究所の藤堂具紀教授と共同開発した。藤堂教授が実施した膠芽腫患者を対象とした国内第2相臨床試験(医師主導治験)の結果に基づき、21年6月に悪性神経膠腫の治療を目的とした再生医療等製品として、条件・期限付承認を取得した。有効性と安全性を評価するためのデータを7年間収集し、改めて承認申請して審査することが求められる。
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