加齢黄斑変性症薬ベオビュ 医師の処方増意向は6割
第一選択薬としての使用は2割弱、副作用の懸念から
公開日時 2021/11/01 00:00
加齢黄斑変性(AMD)は成人の失明や視力低下の主原因となりうる進行性の変性疾患であり、脈絡膜新生血管(CNV)を伴う「滲出型」とCNVを伴わない「萎縮型」の大きく2種類に分類される。このうち滲出型は日本人に発症するAMDの大部分を占め、血管内皮増殖因子(VEGF)の過剰産生で黄斑部に形成されたCNVから血液成分が漏出して急激な視力低下をきたす。滲出型AMDの治療では、CNVの発生を促進するVEGFを標的としたVEGF阻害剤が標準治療薬として用いられている。2020年5月に発売されたベオビュ(一般名:ブロルシズマブ)は、4剤目となる眼科用VEGF阻害薬。開発段階で臨床的に最も進歩したヒト化一本鎖抗体フラグメントであり、一般的な抗体と比較して分子量が小さく、組織への透過性が高い。このことから高濃...