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アステラス製薬 IZERVAYの24か月データ GAの進行速度を抑制 FDAへの追加申請は23年度第4四半期

公開日時 2023/11/07 04:50
アステラス製薬は11月6日のオンライン会見で、地図状萎縮(GA)を伴う加齢黄斑変性の治療剤IZERVAY(アバシンカプタドペゴル:ACP)の24か月間投与における治療効果を検証した第3相試験「GATHER2」の結果を発表した。GAを伴う加齢黄斑変性患者を対象とした同剤の毎月1回投与群(EM)と隔月1回投与群(EOM)を偽処置対照群と比較したところ、いずれもGAの進行速度を継続的に抑制できることが分かった。さらに、24か月投与群は12か月投与群に比べて2倍以上の治療効果を発揮することも分かった。GATHER2試験の結果は米サンフランシスコで開催された米国眼科学会(AAO)で口頭発表された。

◎DHAVAL DESAI氏「治療期間の制限を外し、隔月1回投与の選択肢を提供する」

IZERVAYは同社が5月に買収した米アイベリック・バイオ社の開発品。8月にFDAから承認を受け、9月から米国で販売している。現在は12か月の治療成績で承認されており、今回発表した24か月データを用いてFDAに適応追加の承認申請を行う予定。オンライン会見の臨んだ米アイベリック・バイオ社のDHAVAL DESAIシニア・バイスプレジデントは、「アステラス製薬の23年度第4四半期にはFDAへの申請を完了させたい。治療期間の制限を外し、隔月1回投与の選択肢を提供するために適応追加の申請を行う」と明らかにした。

◎IZERVAY投与群 24か月時点のGA進行の平均速度が14%減少(p=0.0165)

GATHER2試験は、無作為化二重盲検偽処置対照多施設共同の第3相試験で、GAを伴う加齢黄斑変性患者448人が組み入れられ、IZERVAYを硝子体内投与した場合の安全性と有効性を評価した。具体的には、最初の1年間は毎月1回IZERVAY・2 mg投与群と偽処置対照群に無作為に割り付け、治療1年(12か月)を経過した時点で、①毎月1回IZERVAY投与群(n=96)、②2か月に1回(隔月)IZERVAY投与群-に再割り付け(n=93)し、これらを偽処置対照群(n=203)と比較し、24か月までのデータを検証した。

主要評価項目であるGA進行の速度については、IZERVAY投与群は偽処置対照群に比べて投与後24か月時点のGA進行の平均速度が14%減少(p=0.0165)した。また、IZERVAYを12か月間毎月1回投与し、その後1年間隔月1回投与された群では、偽処置対照群と比較して、投与後24か月時点でGA進行の平均速度が19%減少(名目上のP値 p=0.0015)した。また、24か月のIZERVAYの治療効果は12か月の治療効果と比べて2倍以上となった。

このほかIZERVAY投与群は偽処置対照群に比べて、24か月投与で15文字以上の持続的な視力低下リスクを統計学的に有意に軽減するには至らなかった。この日のオンライン会見で米アイベリック・バイオ社のERIN HENRYバイスプレジデントは、「持続的視力低下については複数の感度分析を用いて検討していく予定」とコメントした。

◎安全性 重篤ではない眼内炎症と感染性眼内炎が各1例 虚血性神経障害、網膜血管炎はなし

安全性については、重篤ではない眼内炎症と感染性眼内炎の症例がそれぞれ1例見られたが、虚血性神経障害や網膜血管炎の症例はなかった。偽処置対照群と比較し、24か月のIZERVAY処置群における脈絡膜新生血管(CNV)の発生率はわずかな増加のみが観察されたが、24か月目の隔月投与群における発生率は同等だった。このほか24か月の投与期間に発生した有害事象(TEAE)は、12か月時点と同様で、眼におけるTEAEはIZERVAY投与群の64.0%、偽処置対照群の48.2%で観察された。IZERVAY投与群と偽処置対照群を比較して多く見られたTEAEは、結膜出血(16.9% vs. 9.0%)、眼圧上昇(13.3% vs. 0.9%)、CNV(11.6% vs. 9.0%)。重篤な眼のTEAEは、IZERVAY投与群と偽処置対照群で同等だった(1.8% vs. 0.9%)。投与後24か月目において、IZERVAY投与群では感染性眼内炎が1例、眼内レンズ亜脱臼が1例見られたのに対し、偽処置対照群では見られなかった。

◎ERIN HENRYバイスプレジデント「患者にとっても網膜の専門医にとっても大きなニュースだ」

オンライン会見に臨んだ米アイベリック・バイオ社のERIN HENRYバイスプレジデントは、「IZERVAYが炎症性の副作用と関連していないというエビデンスを示すため、これら24か月の安全性データは極めて重要だ。炎症はGA対する補体阻害剤で懸念となってきた。しかし、24か月の投与後、IZERVAYでは懸念を裏付けるようなエビデンスは見られていない」と強調した。また、「IZERVAYは継続して良好な忍容性を示し、24か月において隔月1回投与群で新たな安全性のシグナルは認められず、CNVの発症率は偽処置投与群と同等だった。これは患者にとっても網膜の専門医にとっても大きなニュースだ」と強調した。



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