ギリアド・サイエンシズ 新型コロナ治療薬ベクルリーの一般流通開始
公開日時 2021/10/19 04:50
ギリアド・サイエンシズは10月18日、新型コロナウイルス感染症治療薬ベクルリー点滴静注用100mg(一般名:レムデシビル)の一般流通を同日から開始したと発表した。薬価は100mg1瓶6万3342円。同剤の一般流通品は他の既収載品と同じく、医薬品卸を通じて購入する。一般流通品を患者に投与した場合、通常の手続きに従って保険請求を行うが、新型コロナに係る医療は全額公費負担のため患者負担はない。
同社は本誌取材に、取引卸や具体的な国内供給量・在庫量は非開示としたうえで、「臨床上必要とされる患者に対して、確実に必要量の薬剤を供給できる体制を整備している」、「引き続き全世界でベクルリーを必要とされる患者に対して薬剤を供給することに全力で取り組む」とコメントした。
新型コロナの感染状況は刻々と変化しているが、8月4日の中医協資料によると、一般流通品の発売初年度の予測投与患者数は4万2775人、予測販売金額は181億円としている。
2020年5月の特例承認後、国が同剤を購入し、この国購入品を必要とする医療機関に配布する特例的な対応を行っていた。その後、同剤の生産能力が大幅に向上し、需要を満たす供給の見通しが立ったことから、ギリアドは薬価収載を申請し、8月12日付で収載された。
なお、厚労省は10月14日付の事務連絡で、原則として同一患者に国購入品と一般流通品を混在させて使用せず、「国購入品の在庫がある場合は国購入品を、国購入品の在庫がない場合は一般流通品を投与してほしい」と周知している。